【ベトナム】ホアファット、熱延コイル生産900万トンに[鉄鋼]

ベトナムの鉄鋼最大手ホアファット・グループは22日、さまざまな鋼材の母材となる熱延コイル(HRC)の生産量が、2020年5月の生産開始からの累計で900万トンに達したと発表した。今後、欧州市場向けなどにより品質基準の高い熱延コイルの生産に取り組み、ベトナム製鋼材の輸出市場を拡大していく方針だ。

同社はこれまで、中部クアンガイ省のズンクアット製鉄所で、継続的に製造ラインの改善を重ねてきた。溶鋼から薄板製造の工程で「クオリティー・ストリップ・プロダクション」と呼ばれる高効率生産の設備を導入したのが一例だ。現在は圧延ラックとロール成形機によって厚さ1.5ミリメートルの薄板も生産可能という。

また、圧延ラックとロール成形機を追加設置したことによって、圧延工程の生産性と効率も大幅に改善したと同社は説明している。

同社の熱延コイルの生産能力は年300万トン。熱延コイルを生産できるベトナム資本の鉄鋼メーカーは同社1社だけで、同社の製品は日本、中国、英国など各国の厳しい品質基準を満たしていると説明している。

熱延コイルはさまざまな用途向けに生産される鋼材の母材となる薄板状の鋼材で、一般的な建設用鋼材のほか、自動車、造船、機械、家電、海運用コンテナなどさまざまな業界向けに供給されている。

© 株式会社NNA