洋書で読んでみたい!ミシェル・オバマの著書『BECOMING』

おはようございます。英語学習アドバイザーのかとうみゆきです。

このブログでは、私自身が実際に読んで、誰かにおすすめしたいと思った洋書をご紹介していきます。

洋書で読んでみたい!ミシェル・オバマの著書『BECOMING』

Becoming | Obama, Michelle

今回ご紹介する本は、第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ大統領夫人、ミシェル・オバマさんの著書である “BECOMING “です。

これは彼女自身が書いた自伝で、幼少期から学生時代、社会人になるまでの話、バラク・オバマ氏との出合いと結婚生活、夫であるオバマ氏がイリノイ州議会上院議員、続いて大統領になるまでの熾烈な選挙戦中の家庭の様子、最後にホワイトハウスでの生活が綴られています。

学ぶことが多い一冊

まず、アメリカ社会の中での黒人の生きづらさ、女性であり、黒人であるという社会的ハンディを乗り越え生きていく大変さをこの本で初めて知ることとなりました。アメリカ社会が抱える複雑でデリケートな問題を、具体的な知識として得られます。

また、彼女の生きざまから学べることが多くあります。妻として母として家庭を守ることを第一に、同時に自らの仕事とキャリアアップも大事にしながら、日々逡巡し、葛藤を抱えながら、大事なポイントでどのように判断し決定を下したのかが具体的に書かれており、ひとつの例としてとても参考になります。働きながら子育てをしている女性誰もが持つ悩みを、彼女も同じように抱えていたことに親しみを覚えます。

そんな彼女が子育てと自分のキャリアを大事に考えながら、同時に夫であるオバマ氏の上院議員、大統領選に向けての選挙活動の渦に嫌でも巻き込まれていくなかでの葛藤。それでいていったん夫の選挙活動のサポートに回ると決めた後のシフトチェンジの速さと機動力はさすがです。

折しも大統領選が始まった今、当事者がどんな思いで日々どんな活動をしているのかをこの本で知っていると、選挙戦を見る目も変わり興味深いものになることでしょう。

最終章のホワイトハウスでの生活は、普通では垣間見られないものですね。ファーストレディの生活を知れる貴重な一冊です。

親しみやすい、けれど特別な人

彼女は最初から最後まで母であることを第一に考える態度を貫いています。超多忙な選挙戦の最中でもホワイトハウスに入ってからもそれは変わりません。

そんな姿から家庭を思う女性として友人の一人とすら思えるような親しみやすさを感じさせる一方で、仕事面で発揮されている行動力や決断力、リーダーシップは、「やはり私とは全然違う有能な人。ファーストレディになるべくしてなった人」と思わせられる2つの顔を持つパワフル・スーパーウーマン。ここでは語り尽くせない魅力をぜひご自身で読んで知っていただきたいと思います。

家庭を守り、子育てを最優先に考え、自らのキャリアも簡単にはあきらめない。

そして夫を支える役割も引き受ける。何をどこまでやるか、どうやってやるか、常に葛藤を抱え苦悩しながら全てをジャグリングのように回していた彼女には誰もが共鳴する部分がきっとあるはずです。

この本はしっかりした英語で書かれており、丹念に辞書を引きながら読み進めました。一語も漏らさず理解したい、そう思わせてくれる本です。

さて、これまでこのブログをお読みいただきありがとうございました。今回で連載は終了となります。

このブログが洋書読み、英語学習のきっかけになれたら幸いです。ぜひこれをきっかけにご自分の洋書の楽しみ方や英語学習方法を見つけてくださいね。

また、ブログの中で第二言語習得の知見にも少し触れましたが、「何かしら英語学習でモヤモヤを抱えていらっしゃる方のヒントやブレークスルーのきっかけになれたら」という思いを込めました。どなたかのお役にたてますように…。

ありがとうございました。

(編集部より)本ブログはこの記事が最終回です。ハードルが高い印象がある英語の洋書について、初心者向けの本や女性向けの本、また、読み続けるヒントなど、幅広いテーマで伝えてくれたかとうみゆきさん、本当にありがとうございました!読者の皆様の読書習慣や、英語のスキル向上につながりますように。

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