トラヴィス・スコット、主催フェスの死亡事故を巡る裁判の1つで勝訴

トラヴィス・スコットが、主催のフェスティバル「アストロワールド」で起きた死亡事故を巡る裁判の1つで勝訴した。2021年、テキサス州ヒューストンで開催された同イベントで、観客が殺到し圧迫による窒息で10人が死亡する事故が発生、トラヴィスとオーガナイザーのライブ・ネイションは多くの訴訟に直面しているところだ。

今回、同イベントに「カーニバル系のゲームや娯楽」のアトラクションを提供していたセレモニー・オブ・ローゼズ社(COR)が、同事故で経済的損失を被ったとしてトラヴィスらを訴えていた件が棄却されることとなった。

ザ・ブラストが入手した先週提出の裁判書類によると、同社は全ての当事者の訴訟と訴因を法廷外に出したいとしたことで、当事者らによる申し立て及び反訴を含む訴訟全体が決着、しかし弁護士側は確定力なしの棄却を求めており、同じ内容の裁判が再度始まる可能性が残ったかたちだ。

最初の訴訟でCORは、ライブ・ネイションが指定したプロモーター、スコアモア・ホールディングスと契約を交わし、同イベントの娯楽体験を向上させ、チケットの売り上げを上げるアトラクションを持ち込む予定だったと主張、同契約はアトラクションの資金調達、設立、運営、解体をする代わりに、そのコスト及び追加収益の50%を受け取る内容だったという。そして CORは高品質で安心、安全な環境を同イベントが提供し、トラヴィスとXXGが安全とプロフェッショナリズムを最優先する合理的期待があったとしていた。

しかし事件後、同イベントが中止されたことで、すでに支払っていた費用が回収できず、予想していた利益を完全に損失、書類には賠償額の明確な表示はないものの、CORは少なくとも70万ドル(約1億600万円)を出費していたという。

一方主催のトラヴィスは以前、同事件に「完全に打ちのめされている」と告白、これからも常に思い出すだろうと話していた。

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