被災の氷見思い新曲 市出身サチモスのTAIHEIさん 防災無線メロディー披露

新メロディーを披露するTAIHEIさん=氷見市芸術文化館

  ●「氷見に暮らす素晴らしさ感じて」

 氷見市は4月から防災行政無線のメロディーを一新し、市出身の音楽家TAIHEI(タイヘイ)さん作曲の「日日(にちにち)」を放送する。発表会見が26日、芸術文化館で行われた。TAIHEIさんが生演奏を披露し、「氷見に暮らしている素晴らしさを感じてほしい」と能登半島地震で被災した故郷に込めた思いを語った。

 防災行政無線は動作確認のため、正午と午後5時の1日2回メロディーを流しおり、システム更新に合わせて変更することにした。曲は正午の放送で、午後5時は現在の「くららの咲くころ」をTAIHEIさんがアレンジした曲にする。

 曲は「日々(にちにち)是好日(これこうじつ)」から取った。雪によって異なる表情を見せる氷見の景色に着想を得た。穏やかなメロディーで、少しせつない冬バージョン(12~5月)と気持ちが上がる夏バージョンを用意した。

 TAIHEIさんは昨年秋に依頼を受けうれしかったという。その後、能登半島地震が発生し、責任の重さを感じるようになった。いくつか作ったパターンの中から放送するメロディーを決めたのは25日だった。

 TAIHEIさんはロックバンド「suchmos」(サチモス)の鍵盤奏者で、現在はバンド「賽」(SAI=サイ)のリーダーを務め、幅広く活動する。

 生演奏を聞いた林正之市長は「多くの人の心の糧になることを祈っている」と話した。

 防災行政無線のリニューアルでは「忍者ハットリくん」のメロディーも毎月第3日曜などの正午に放送される。

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