テント内でストーブが使える!?スノーピーク新製品展示会が凄すぎた…!【イベントレポート】

「衣」「食」「住」「働」「遊」と幅広いカテゴリーでの事業展開を行うアウトドアブランド、スノーピーク。同ブランドの新製品を一堂に集めた展示会「New Products Show 2024」 が全国8会場とオンラインにて1月から開催されている。今回は3月9日の名古屋会場の模様をレポートする。

使いやすさと便利さを追求したラインアップ

オートキャンプ製品を中心にハイエンドなアウトドア製品の開発・製造・販売を展開するスノーピーク。展示会に行き、広報の方からさまざまな新製品を紹介されたが、そのどれもが使いやすさと便利さを追求したものだと感じた。

カラーステーク30

例えばテントやタープを設営する際に、必要不可欠なペグ。本来、ペグは地面に対して45度で20~30cm程度打ち込まないといけない。「カラーステーク30」はカラーリングによって初心者でも一目でわかるように設計されている。カラーリングの斜めの部分を地面と平行にしながら打てば45度になり、入りのついている部分まで差し込めば初心者でもペグを抜けにくく打ち込めるのだ。

カラーステーク30とソリッドステークデルタ

また同ブランドでペグといえば、1995年の発売から圧倒的支持を集める「ソリッドステーク」。その最新バージョン「ソリッドステークデルタ」も便利性を追求した商品だ。フックの部分が45度になっているため、目視で適正角度を判断しやすい。さらに「デルタ」という名称からもわかる通り、地面にさす部分が三角形状になっている。三角にすることで、地面に打ち込まれたペグを少し回転することで、空間が生まれて地面から抜けやすくなる。

この他にも、屈まず楽にペグ抜きができる「ペグ抜きロッド」などもあり、初心者に対して負担なくキャンプを楽しめる、商品づくりを心がけているように感じた。

メーカー品だからこそ安心・安全を極める「リゲル Pro. ストーブプラス」

リゲル Pro. ストーブプラス

今回の展示会、その目玉の一つはなんといっても「リゲル Pro. ストーブプラス」であろう。冬キャンプで必要不可欠なものといえば焚火。近年ではシェルターでストーブを使用するというキャンパーも増えてきている。だが一酸化炭素中毒になる危険性もあり、シェルターなどでストーブ使用はグレーな位置づけであった。

リゲルストーブ

そんなグレーを打破すべく、安心・安全を徹底追及したシェルターが本製品だ。高火力な薪ストーブ「リゲルストーブ」が付属するシェルターは風に強いフレームワークと、薄く丈夫なポリエステルのリップストップ生地を使用。さらに火の粉に強いTCフルフライシートを上から重ねることで外気温の影響を受けにくい上に、空気の循環を促進させる仕様となっている。

シェルター内はベンチレーションが充実
一酸化炭素チェッカーも付属

本体とフルフライシートはそれぞれ4か所にベンチレーションを備え、換気機能が大幅に向上。また本製品には安全のため、一酸化炭素チェッカーも付属されている。さらに煙突とテントとの接触部には熱に強いシリコン製のリングを配置。煙突ガードがなくても安全に使用できる設計になっている。

全面にガラスを配置し、炎をどの角度からでも楽しめる

専用薪ストーブはガラス窓を4面に設置。美しい炎をどの角度からも眺めることが可能だ。また二次燃焼パネルも有し、高火力でありながら煙や火の粉が出にくい設計となっている。さらにテーブルがあることで不用意にストーブ本体と接触するリスクを軽減している。グレーな部分にメーカーが向き合い、安心・安全にキャンパーが楽しめる作品を作る。スノーピークの覚悟が見えた商品だ。

日本という形に対応した「フィールドトレーラー」

フィールドトレーラー

展示会のもう一つの目玉はスノーピーク初の、テント一体型のカーゴトレーラー「フィールドトレーラー」。

これを作ろうとした背景として、キャンプで自転車・カヤックなどのアクティビティを楽しむために、テントの設営時間を最小限にしたかったとのこと。そのため設営は滑車を引っ張るだけ。扇形に広がっていき、180度展開すれば、大人4人がくつろげるテントへと早変わり。さらに車とトレーラーを切り離せば、買い物や温泉など訪れた先でのアクティビティを思いっきり楽しむことができる。

滑車を引っ張るだけで、テントが設営できる

このようなルーフトップテントは欧米では主流となりつつあるが、海外の製品は乾燥地域で使うことを前提とした素材で作られている。そのため雨の日が多い日本で使用すると、お手入れが大変。だが同製品のテント部分はアウトフレーム構造で簡単に幕だけを取り外せ、濡れた際には外して乾燥させることが可能だ。また故障があっても、スノーピークのアフターサービスにて修理ができる。

トレーラー内は収納力抜群

同製品はけん引免許を必要としない規格で、普通免許でのけん引が可能である。ただし納車の際は岐阜県岐阜市にある指定工場まで行き、運転講習やヒッチメンバーの取付を行わなければならない。

キャンプ好きだからこそできる、お客様目線での商品づくり

ランドロックの設営講習を行う跡路氏

会場ではSnow Peak Culture Lab長の跡路 茂文氏が同社の2ルームシェルターである「ランドロック」の設営講習を行っていた。その講習で話されていたが、跡路氏は年間100日以上キャンプに行くとのことだ。

ドッグオフトン

スノーピークの社員はキャンプ用品を売る立場でありながら、最良のお客様でもある。そしてそういう社員たちの声を聞いてできた商品も多い。例えば「ドッグオフトン」。スノーピークのシュラフ「オフトン」シリーズをワンちゃん用にリデザインされたものだが、これは愛犬とキャンプへ行く社員の声からできた製品である。

セイエン

またキャンプの醍醐味であるBBQに日本の囲炉裏のエッセンスを組み込み作られた「セイエン」。これも「食」分野のシェフの意見を取り入れて作られた。

キャンプが好きな人々がキャンパーの目線に立って商品開発を行う。だからこそ便利でありながら安全性にも配慮された商品ができるのではと感じた。

New Products Show 2024
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