温室効果ガス実質ゼロへ 茨城・水戸にメガソーラー 常陽銀と東電2社

メガソーラー施設が建設される予定の常陽銀行平須総合グラウンドの一部=水戸市平須町

常陽銀行(茨城県水戸市)と東京電力ホールディングス(HD)、同エナジーパートナー(EP)の3者は、温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」実現に向け、二つのプロジェクトを始動させた。同市平須町で大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設と、県内水力発電所由来の実質再生可能エネルギーの電力調達を行う。発電した電力を同行で使うなどし、再生可能エネルギーの地産地消を実現する。

メガソーラー発電所は、同市平須町の同行平須総合グラウンド内の多目的広場に建設する。名称を「ソーラーパワー平須」とし、稼働は2026年度の予定。発電出力は約1600キロワットで、敷地約2万平方メートルに約2700枚の太陽光パネルを設置する。

年間総発電量は210万キロワット時で一般家庭の約500世帯分の電気を賄える。二酸化炭素(CO2)削減量は年間約955トンを見込む。太陽光パネルは東電子会社の東京パワーテクノロジー(東京都)が設置する。

同所で発電した電力は送配電事業者のネットワークで他地域の施設に供給する「自己託送」で、本店(同市南町)や常陽つくばビル(同県つくば市吾妻)を含む同行4施設の一部に供給する予定。

水力発電所由来の実質再生可能エネルギーの電力調達では、4月から東京発電(東京都)が所有する花貫川第1発電所(同県高萩市秋山)由来の実質再生可能エネルギー100%の電力を調達し、同行の87拠点で使う。

同行は両プロジェクトの実施で、一般家庭約1200世帯分に相当する年間3200トン以上のCO2削減が可能になると見積もる。

同行を含む3者は昨年7月に「カーボンニュートラル」実現に関する包括協定を締結。同行本店と支店などに太陽光発電を中心にした再生可能エネルギー電源を導入するほか、太陽光発電設備を使い災害時の地域の早期復旧に貢献することも目指してきた。3月22日には同行本店でメガソーラー開発に係る基本契約書に調印した。

同行を含むめぶきフィナンシャルグループ(東京都)は、30年度までに自社グループのCO2排出量を正味ゼロにすることを目標にしている。同行のCO2排出量は13年度比で全体の6割まで削減できる。

メガソーラー開発に係る基本契約書に調印した常陽銀行の小野利彦常務執行役員(中央)ら=水戸市南町

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