国交省/事業促進PPP運用改善へ2タイプ提案、事業段階選択型新設

国土交通省は官民連携で発注関係業務を推進する「事業促進PPP」の運用改善の方向性を示した。維持管理を含めたさまざまな事業段階で柔軟に活用できるよう、従来の枠組みを「総合型」として残しつつ、新たにつくる「事業段階選択型」を加えた2タイプで運用する。受注者選定や業務遂行の参考として配置技術者に求められる能力も明確化する。いずれも国交省直轄の事業促進PPPガイドラインの改定で対応する。
26日に開いた有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の「業務・マネジメント部会」で提案した。
調査から設計、用地、施工までの事業段階全体に導入する従来タイプの総合型とは異なる使い方となる場合、各事業段階の選択方式を採用する方法を提示。ガイドラインには導入する段階や目的に応じ、複数か単独かを問わず必要な事業段階を取捨選択可能と明記する。
昨年1月の前回会合では、導入する段階や目的に応じ分類した5タイプによる運用に見直す方針を提案していた。しかし複数の有識者から「分かりやすく使いやすいものにすべき」などの意見が上がったことから再検討し修正した形だ。
配置技術者は総合型が▽管理▽主任▽担当-の各技術者の3階層で構成するのに対し、事業段階選択型は管理技術者と主任技術者、または管理技術者と担当技術者の2階層で構成することを基本とする。
併せてガイドライン改定では、受発注者の協議を踏まえ実態に合わせ柔軟に設計変更を行うことを明記。発注者に期待される行動や配置技術者に求められる能力の例示を充実させる。業務内容の一つとしてBIM/CIM活用支援も明確に位置付ける。
事業促進PPPの活用は災害復旧・復興事業だけでなく平常時の大規模事業にも広がり、導入件数は右肩上がりに増加。同様の特徴を持つCM(コンストラクションマネジメント)・PM(プロジェクトマネジメント)を含めると稼働件数は2022年度に199件に達し、この10年で約9倍となっている。

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