乗り物酔いしにくくなりそうです。全国初の「車上型の制御付自然振り子方式」を搭載し、4月6日にデビューする、新型やくも号用273系電車。
23日、自慢の最新型振り子方式を初めて稼働させて試乗会が開かれ、全国からの参加者らが乗り心地を確かめました。
鳥取県米子市にあるJR米子駅のホームに姿を見せた「やくも」のヘッドマーク。
23日に開かれた試乗会には、JR西日本のアプリ会員から、56倍の抽選を突破した人や行政関係者など、合計400人が参加しました。
ホームに居合わせた親子連れらがカメラやスマホを向ける中、注目の新型車両は滑らかに走り出します。
参加者
「スムーズで『がったん』っていうのが無いです。やっぱ違いますね、今までと」
現在のやくも号用381系は、運転開始から42年が迫り、今や、定期運行する最後の国鉄型特急電車です。
老朽化に加え設備面でも見劣りが目立つようになって、全面的な刷新のため開発されたのが、やくも専用の273系電車というわけです。
参加者
「全然、座り心地良いですね。これ寝れます。いや2時間だともったいないです」
381系電車では車両同士が前後に押し合うように揺れますが、新型車両ではそれも感じられません。
注目の最新型の振り子方式も、山間部に入って行くにつれ本領を発揮します。
入江直樹 記者
「線路脇の柱と比べると、車体が大きく傾いているのが分かります。スピードは全然落ちません」
振り子方式で車体を大きく傾けながら、川沿いの曲線が連続する線路を高速で駆け抜けて行きます。
振り子方式自体は381系電車がルーツですが、当時は制御付ではなく、カーブに入ってからの車体の傾きが若干遅れることが、乗り物酔いの原因になっていました。
入江直樹 記者
「傾きが戻る時も実にスムーズです。線路をトレースして行くように曲がって行きますね」
273系では、列車の走行位置を車両が随時検出し線路のデータと照らし合わせることで、適切なタイミングと角度で車体を傾けます。
これにより、乗り物酔い評価指標が23%改善されたといい、試乗した人たちも異口同音に違いを感じたと話します。
参加者
「すごいスムーズでびっくりです」
参加者
「カーブの時に、すごい滑らかに曲がってたので。想像をはるかに超えてたので、びっくりしました」
参加者
「父)この子がやくもが好きで。新しくなったんで(応募しました)」
「男の子)名前も『やくも』です」
子どもを「やくも」と名付けた、鉄道ファンでお父さんもいました。
参加者
「非常に静かで乗り心地も良くて。良いかなと思います。このコンパートメントも、すごい気に入りました。横揺れがないかなっていう感じがしますね」
車内放送
「間もなく生山です」
試乗列車は目的の駅に到着しました。
JR西日本山陰営業部 足立智 課長代理
「日本全国から応募ありましたし、多くの方にご乗車いただきましたので、かなり注目度高いなと。これを機にPRを強化して、首都圏であるとか京阪神であるとか、その辺りから沢山お客様に来ていただけるようにしたいと」
新型電車273系は4月6日にデビューし、6月半ばには、全てのやくも号が273系に置き換えられる予定です。