市原隼人主演「おいしい給食」最新作公開を前に劇場版第1弾が北海道凱旋上映。「シーズン3はキャパを超えました」

「北海道フードフィルムフェスティバル」プレイベントの一環として、映画「劇場版 おいしい給食 Final Battle」の凱旋上映が3月20日、北海道・札幌のサツゲキで開かれ、主演の市原隼人綾部真弥監督、岩淵規プロデューサーが登壇した。

劇場版第3弾となる最新作「劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ」が5月24日に全国公開。これに先駆けたスペシャルトークだけあって、会場には多くの観客がつめかけ、市原は「シーズン3の撮影は僕のキャパを超えましたが(笑)、ベストを尽くして100%お客さまのために演じました。精いっぱい生きる(主人公)甘利田幸男の姿が、皆さんの人生の活力の一部になれば」と、シリーズへの熱い思いを語った。

「北海道フードフィルムフェスティバル」は、「北海道の食文化の発展と担い手(生産者・料理人・クリエーター)の育成」「魅力・ブランドの確立とゆるぎない競争力の獲得」などをビジョンとして掲げ、11月22~24日に本開催を予定する新イベント。プレイベントは3月19~21日の3日間、札幌市内で開催された。

「おいしい給食」は、給食マニアの教師・甘利田幸男(市原)と生徒が、おいしい食べ方を巡ってバトルを繰り広げる学園グルメコメディー。2019年のドラマスタートから人気を博し、23年10月には北海道・函館に舞台を移したドラマの第3シーズンを放送。続く劇場版「おいしい給食 Road to イカメシ」も函館が舞台となる。

市原は「たまらなく好きになった北海道に戻ってくることできてうれしいです。第3弾の映画を公開する運びとなったのも、ひとえに作品を愛してくださるお客さまの気持ちのたまもの。本当にありがとうございます!」とあいさつすると、会場の“給食当番(=ファン)”から大きな拍手が沸いた。

この日に上映された劇場版第1弾に関して、司会者から「ここまで人気シリーズになると想像していましたか?」と質問された綾部監督は、「『ファイナルバトル』のサブタイトル通り、当時は続編なんて全く考えられず、集大成のつもりでした。第3弾までやらせていただけて感謝しかありません」とコメント。そして、「パート1は2020年3月に公開しましたが、4月に緊急事態宣言があり、映画館も閉まって打ち切られてしまいました。スクリーン再開後、僕も一般客としてこの作品を見に行ったところ、親子連れが笑い、年配の方が泣いてくれ、とてもすてきな空間でした。宝物のような、大好きなこの作品を、こうして大勢の皆さんに見ていただけて本当にうれしいです」と感慨深げに話した。

市原も「パート1公開時はコロナで舞台あいさつができなくなり、本当に悔しかった。『おいしい給食』は原作のない珍しい作品で、表現者としてエンターテインメントとして、いろいろな思いを込め、今できるすべてを注ぎ込んで作っています」と熱く語り、「シーズン3は、キャパを超えています(笑)。給食を食べながら、意識が飛びました(笑)。でも、スタッフ・キャストが一致団結し、自分にとっても思い入れある作品です。皆さん、『おいしい給食』を信じていただきたい。100%、お客さまのためだけにやっています!」と力を込め、会場を沸かせた。

ドラマ版のシーズン3から舞台を函館とした理由について、岩淵プロデューサーは「全国の給食をリサーチする中、『函館ではイカメシが出るらしい』と知り、出したいなと思ったのが始まり。…それ以上、深い意味はありません」とユーモラスに説明。

綾部監督は「劇場版を撮影した2023年4月は強風と黄砂の時期。カメラもグラグラ揺れ、スタッフが必死に押さえながら、ワンシーンワンシーン文字通り渾身(こんしん)の力を込めて撮りました」と函館ロケを振り返り、市原は「出演する子どもたちに観光させてあげたくて、撮影前に一緒に函館山に登りました。皆でワイワイして、函館ってこんなに人を笑顔にしてくれるんだという印象を持ちました」と思い出深いエピソードを披露した。

5月に公開される劇場版最新作の見どころについて、3人は「甘利田先生が給食を食べるシーンはもちろんですが、ドラマ版シーズン3の最後に触れた学芸会が、映画では実際に上演されます。そして、甘利田がイカメシにたどり着くのか? 夢はかなうのか? ぜひ、楽しんでください」(綾部監督)、「学芸会が一つの軸。子どもたちも一生懸命頑張っているので、そんな思いもくんで温かく見守っていただけたら。あと、甘利田にとってやはり酒席は鬼門です(笑)」(市原)、「全部が見どころですが、もしかすると僕が出ているかもしれません」(岩淵プロデューサー)とアピール。

最後に、市原が「『おいしい給食』は一貫して、子どもの目を背けさせない、大人には道徳心や教養も味わえるようなエンターテインメント作品に仕上げています。1980年代が舞台なので、日本の古きよき心も感じていただけるのでは。何より、好きなものは好きと精いっぱいに生きる甘利田の姿を見て、人生の活力の一部にでもしていただけたら幸いです」と締めくくった。

© 株式会社東京ニュース通信社