【漫画】娘を“変えてしまった”アイドル、父親は何を思う? 価値観をアップデートするSNS漫画に注目

人々に夢を与えるアイドルの力で、変わることができたというファンは少なくないだろう。3月上旬にXに投稿された創作漫画『ラッキーボーイ☆アンラッキーマン』は、大人しかった娘があるアイドルにハマって変わってしまったと嘆くサラリーマン・井上が、そのアイドルと偶然出会い、偏見に気づく様子を描いたキラキラした作品だ。

本作を手掛けたのは、この春に大学を卒業して就職するという月見里ろこさん(@Roco_Yamanashi)。就職後漫画制作を続けていきたいと語る月見里さんに本作の誕生秘話など話を聞いた。(望月悠木)

■「大好きな要素を全て詰め込んだ」

――『ラッキーボーイ☆アンラッキーマン』制作の経緯を教えてください。

月見里:本作は大学の卒業制作展で展示された作品でした。学生生活最後の作品だったため、「自分が大好きな要素を全て詰め込んだ作品が作りたい」と思って制作しました。卒業制作として他の制作物も制作しており、毎日少しずつ作業を進めて5ヶ月ほどで完成させた作品です。

――“大好きな要素”だからこそアイドルがメインのストーリーにしたのですか?

月見里:はい。もともとキャラクターが物語の中で成長していく展開が好きです。その中でも、アイドルもののアニメや漫画が織りなす人間関係、加えてアイドルという仕事の奥深さに惹かれていました。ただ、基本的にはアイドル側の目線から描かれることが多く、「ファン目線でアイドルに影響され、キャラクターが成長していくストーリーも見てみたいな」と頭に浮かんだことがキッカケです。

――ちなみに月見里さんは井上同様にアイドルから元気をもらった経験はありますか?

月見里:私の推しは『モーニング娘。'24』の山﨑愛生ちゃんです。特徴的な歌声と、抜群のリズム感、そして愛嬌のある笑顔が素敵な子です。一度パフォーマンスを見るとその存在感から目が離せない、気がつくと目で追ってしまう、私にとってはまさにアイドルを象徴するような子です。この漫画を制作している際はずっと愛生ちゃんの歌声を聞いて元気をもらっていました。

――柚季からファンサしてもらった時の娘がとろけた表情になっていました。月見里さんも推しからファンサされた時は似た反応をしてしまいますか?

月見里:そうです! 舞台上にいる推しがファンサしてくれた時は、ついつい口元が緩んで、目はハートになってしまいます。自分も含めてそんなファンの人たちのメロメロな表情を参考にして描きました!(笑)

■ユイトは高校時代に生まれたキャラ

――アイドル・柚留木について、どのようにして性格やビジュアルを決めていきましたか?

月見里:柚留木ユイト(柚季)は高校時代に作ったキャラで、「自分の好きなビジュアルと好きなキャラクター性を全て詰め込んだキャラクターを作ろう」という企画のようなもので誕生しました。ユイトは高校時代から今まで私がずっと描き続けており、今まで作ったキャラの中でも1番愛着のある子です。

――ステージ上の柚季は公園で会った時とはまた違ったキラキラオーラを放っていました。

月見里:公園で知り合ったユイトは、“井上や娘と同じ一般人”ということを意識しました。ただ、そんな一般人のユイトが’’柚季’’としてステージに立つ時は、「笑顔を絶やさない」「会場にいる人たち全員を楽しませるアイドルとしてステージに立っている」ということが伝わるように描いたことが良かったのかもしれません。

――今後はどのように創作活動を続けていきますか?

月見里:漫画に関しては今後Xや作品投稿サイト「pixiv」などで四コマ漫画を投稿していく予定です。また、Xではイラストを毎日投稿していますので、ぜひ見に来てください!

(望月悠木)

© 株式会社blueprint