アサンジ被告の米移送、英高等法院が保留判断

Michael Holden Sam Tobin

[ロンドン 26日 ロイター] - 米国で軍事外交機密漏えいなどの罪に問われて英国に収監されている内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告(52)は、米国への身柄引き渡しが一時保留されることになった。英高等法院が26日、米移送に関して被告が死刑判決を受けることはないと米国が保証するよう要求したためだ。

被告が機密を暴露したのはスパイ防止法に違反するとして米国の検察が起訴し、引き渡しを要求。英政府は昨年、米国への移送を承認したが、被告の弁護団が今年2月に異議を申し立てていた。

こうした中で英高等法院は、米国側がこの問題で「満足できる保証」を提示しなければ、被告の申し立てを認めて本格的な審理を開始すると説明した。

一方で、この事案が政治的動機に基づいており、被告は決して公正な裁判を受けられないという弁護団の主張は退けた。

被告側は今後英国で米移送阻止が認められなかった場合、欧州人権裁判所に申し立てを行うとみられている。

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