【富士山の絶景スポット】太宰治の名作『カチカチ山』の舞台は「天上山」だった!?

太宰治の名作『カチカチ山』の舞台として知られる「天上山」は、展望台から富士山と河口湖の雄大な全景を拝めるスポットとして人気です。ロープウェイや絶景ブランコもあり、四季折々の大パノラマを楽しむこともできます。今回は、そんな天上山が舞台の『カチカチ山』のあらすじのほか、天上山はもちろん、河口湖の見どころについてもご紹介します。

『カチカチ山』のあらすじ

©️Phurinee Chinakathum / Shutterstock.com

『カチカチ山』は、室町末期に成立したとされる昔話で、あらすじは以下の通りです。

その昔、おじいさんが畑でいたずら好きなタヌキを捕まえました。そのため、畑から家に帰ったおじいさんは、おばあさんにタヌキ汁を作ってほしいと頼み、再び畑に向かいました。

しかし、タヌキはおばあさんを騙して殺害し、おばあさんの汁を作るのです。そして、おじいさんもタヌキに騙され、おばあさんの汁を食べてしまいます。

その事実を知ったおじいさんは、泣き崩れます。そんなおじいさんを哀れに思ったウサギがやってきて、おばあさんの仇討ちをすることに。

ウサギは、タヌキの背負った薪に火をつけて大やけどを負わせ、やけどの後に辛子を塗ります。さらに、船遊びに誘い、すぐに沈む泥舟に乗せて溺死させ、おばあさんの敵討ちを果たします。

この話の舞台となったのが「天上山」だといわれているのです。ちなみに太宰治の『カチカチ山』のストーリーは原作通りですが、ウサギが少女で、タヌキがその少女に恋をした醜い男になっています。

ここからは、そんな天上山の絶景スポットを3つご紹介します。

~河口湖~富士山パノラマロープウェイ

「~河口湖~富士山パノラマロープウェイ」は、標高856mの「河口湖畔駅」から1,075mの「富士見台駅」を、たった3分で結ぶロープウェイです。目の前には、富士山と河口湖の360度の大パノラマが広がります。『カチカチ山』のタヌキとウサギのオブジェが出迎えてくれるのもポイントです。

また、約70分のハイキングコースも整備されており、7月中旬から8月上旬にかけては、約10万本のアジサイの群生を、11月上旬から12月上旬にかけては紅葉が見られます。行きはロープウェイ、帰りはハイキングコースにして、リフレッシュするのもおすすめです。

展望台

©️Cedric E / Shutterstock.com

2017年7月にリニューアルした「たぬき茶屋」の上に位置する天上山の展望台からは、富士山の裾野まで一望できます。

さらに、武田信玄の本陣を模した「武田信玄の戦国広場 絶景やぐら」も見逃せません。たぬき茶屋から三ツ峠方面へ山道を歩くこと約3分の場所に設置されています。この絶景やぐらは、標高1,110m地点の崖から迫り出す一本橋のようなつくりになっており、スリル満点です。ぜひ先端まで行って、雄大な富士山の姿を楽しんでくださいね。

カチカチ山絶景ブランコ

#2023年 今年もよろしくお願い致します🙏✨ #元旦#富士山 #絶景ブランコ です!今年1番最初のお客様、写真掲載ありがとうございます! ブランコは10:00から16:00までの営業となっておりますm(*_ _)m
待ち時間長くて申し訳ございません💦 #富士山パノラマロープウェイ #河口湖 #山梨県 pic.twitter.com/u82d1ZsX53

— ~河口湖~富士山パノラマロープウェイ【公式】 (@kachi2_yama) January 1, 2023

2021年11月13日にオープンした「カチカチ山絶景ブランコ」は、展望台より一段高い場所に設置されています。目の前の富士山に向かって高さ約3.5mの大きなブランコを漕ぐことができます。若干ヒヤッとしますが、同時に富士山に向かって飛び込むような爽快感を味わえますよ。

天上の鐘

そのほか、天上山の山頂には、鐘を鳴らせすことができる「天上の鐘」、うさぎの御神体を祀る「うさぎ神社」、天上山の神様に諸願成就できる「かわらけ投げ」も!

河口湖天上山公園

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町浅川

電話:0555-72-0363(~河口湖~富士山パノラマロープウェイ)

富士山パノラマロープウェイ営業時間:

平日9:00~16:00(下り最終16:20)

土休日9:00~17:00(下り最終17:20)

富士山パノラマロープウェイ料金(往復):大人1,000円、小人500円(2024年4月1日以降の料金)

カチカチ山絶景ブランコ:1人500円

交通アクセス:富士急行線「河口湖駅」から周遊バスで約15分

公式サイト:https://www.mtfujiropeway.jp/

逆さ富士の撮影ができることも! 桜の名所として有名な「産屋ヶ崎」

河口湖大橋から望む富士山

天上山とあわせて訪れたいのが、「産屋ヶ崎(うぶやがさき)」です。河口湖の南岸と北岸を結ぶ、河口湖大橋の北岸に位置します。木花開耶姫命(このはなさくやひめ)がここで出産をしたという伝説が残っていることが、名前の由来です。天候に恵まれると、ここから逆さ富士の撮影もできるとか。

産屋ヶ崎は桜の名所としても有名です。例年4月中旬に見頃を迎えるため、この時期に訪れるのもいいかもしれませんね。桜と河口湖、富士山が織りなす、美しい景色を眺めることができますよ。

産屋ヶ崎

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町浅川

電話:0555-72-3168(富士河口湖町観光課)

交通アクセス:富士急行線「河口湖駅」から「河口湖周遊バス」で20分「湖山亭うぶや前」下車

公式サイト:https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_3446.html

約200種類のハーブや花を楽しめる「ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園」

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園内のハーブに触れて、指に移った香りを楽しめる「ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園」

もイチオシです。園内にはハーブ園のほか、大温室、ハーブティーや入浴剤、ポプリなどを販売しているショップ、オリジナルのハーブティーを味わえるカフェがあり、約200種類のハーブや花を楽しめます。

加えて、富士山と河口湖、庭園を一望できる「ふじさんデッキ」や、目の前に広がる富士山を眺めながらくつろげる「ふじパノラマカフェ」も。

さらにピンクのどこでもドアや、逆さ富士の撮影が可能なプール、富士山と記念写真が撮れるフレームといった撮影スポットも満載です。

「てづくり工房」では、ハーバリウムやジェルキャンドルホルダーなどを作ることもできますよ。こちらから予約ができます。

ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園

住所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津1996

電話:0555-83-3715

営業時間:9:00〜18:00(最終入園17:30)、ふじさんデッキ 10:00〜17:00

入園料:無料(ふじさんデッキ:大人500円、小人300円、幼児無料)

定休日:年中無休

交通アクセス:富士急行線「河口湖駅」から徒歩約25分

公式サイト:https://herb-fuji.com/

昔話『カチカチ山』に思いを馳せながら天上山を訪れ、絶景を満喫するのも一興です。天上山には『カチカチ山』のストーリーを彷彿させるタヌキとウサギのオブジェが点在していますよ。ぜひ探してみてくださいね。

[参考]

富士の国やまなし|公益社団法人やまなし観光推進機構

[Photos by Shutterstock.com]

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