全在校生17人が転校、日本語学校の生徒ゼロに 島根県江津市

在校学生が4月、0人となることが分かった、はなまる日本語学校島根校=江津市江津町

 外国人学生を受け入れているはなまる日本語学校島根校(江津市江津町)の生徒が、4月にいなくなることが26日、同校などへの取材で分かった。留学1年目の生徒17人の転校が決まり、4月の入学生もいないため。当面は10月入学の学生確保を目指す。

 同校は2021年、人材不足が顕在化する江津市周辺の人材供給を視野に開校した。旧江津幼稚園を校舎として使い、4月入学の2年コース、10月入学の1年半コースを設定。これまで59人が卒業し、県内企業への就職者もいる。

 同校によると、ネパールとバングラデシュ出身の全在校生17人から転校希望の申し出があり、意向を受け入れたという。

 同校は23年夏以降、法務省出入国在留管理庁の定期監査で運営是正の指摘を受けて改善の手続きを進めており、23年10月から学生の受け入れができない状態で、24年4月の入学も見通せていない。

 取材に対し柳原大作校長(44)は「入学生受け入れが早期再開できるよう努力したい。地域に人材を供給する役割を改めて果たしたい」と話した。

 同校は26日、同市や地元住民団体、学生のアルバイト受け入れ先に報告。アルバイトを受け入れているコンビニエンスストアオーナーの吉田直記さん(69)は「素直で真面目な人が多く、江津の将来を担う人材になってほしいとの期待は大きかった」と残念がった。

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