中国の「門外漢」が自動車市場をかき乱す―独メディア

24日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、世界の自動車産業において中国の「門外漢」が市場をかき乱しているとする記事を掲載した。

2023年3月24日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、世界の自動車産業において中国の「門外漢」が市場をかき乱しているとする記事を掲載した。

記事は、中国の電子機器メーカー小米(シャオミ)が28日、構想発表からわずか3年という短い時間で電気自動車(EV)製品を発表すると紹介。しかも、発表予定の「小米SU7」はハイエンドのスポーツカーであり、ドイツのポルシェや米テスラといったハイエンド企業と真っ向から勝負を挑むことになるとし、小さ米の創業者である雷軍(レイ・ジュン)氏も昨年末に「SU7の目標は、ポルシェやテスラに対抗することだ」と明言していたことを伝えた。

そして、世界最大のEV生産国である中国では多くのメーカーが新製品の発売に躍起になっており、自動車製造が専門ではない「門外漢」企業が続々参入していることが他国にはない特徴だと指摘。小米の事例を改めて紹介する一方で、米アップルは先月累計100億ドル(約1兆5000億円)を投資した自動車製造の断念を発表したとしている。

その上で「中国メーカーはEV移動手段ではなく、四つの車輪を持つ娯楽電子製品と捉えているようだ」とし、中国企業がパワートレインやサスペンションよりも自動運転や人工知能(AI)をはるかに重要視しているとの見方を示した。また、他国企業に比べて中国企業は個人データの保護にあまり関心がないとも指摘し、収集した大量のユーザーデータをAIアルゴリズムの成長に役立てていると伝えた。

記事は、ドイツ政府が18年に中国政府との間で署名した自動運転技術に関する共同声明では「双方は自動運転技術と関連インフラ分野におけるデータ収集、送信、サイバーセキュリティに関する『非差別的な多国間ルール』を策定する」ことが盛り込まれたにもかかわらず、多くの欧州企業が「現状では中国ビジネスは難しい」と不満をこぼしていると紹介。不満の理由として中国がデータの国外持ち出しに当たり公的機関の承認を求めているほか、外国企業に対しても中国国内のサーバーにデータを保管することを義務付けており、海外にある本社のデータセンターとは別に運用しなければならない点を挙げた。そして、欧州連合(EU)はすでにこの状況を問題視しており、中国との間で交渉を続けているとした。(翻訳・編集/川尻)

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