「安全経営あいち」で生産性や品質向上も 愛知労働局が普及推進

「安全経営あいち」のパンフレットを持つ浜田課長

 愛知労働局は、リスクアセスメントを通して安全だけでなく、生産性や品質の向上につなげる取り組みを「安全経営あいち」と名付け、普及に取り組んでいる。2023年度から賛同事業場を募ったところ、24年3月末までに800事業場を超える見込みだ。

 安全経営は、リスクマネジメントを行い、現場の作業一つ一つを把握して管理していくことで、P(生産性)Q(品質)C(原価・経済性)D(納期・生産量)S(安全)M(士気)E(環境)のいずれも高め、企業価値向上につなげていこうという考え。

 同労働局は、リスクアセスメントについて06年に努力義務化された時から浸透に力を入れてきた。まずは自動車など製造業から展開。13年度からは小売業や飲食、介護の各分野で企業とグループをつくり、リスクアセスメントについて一緒に考える取り組みを行ってきた。出前講座も実施しており、23年度はオンライン含め45回開催し県外からの参加者もあった。

 さらに普及を推進しようと、同労働局では昨年1月に「安全経営あいち」と「あいち安全経営本舗」を商標として登録した。賛同事業場には、登録証とロゴマークを交付する。製造業、建設業を中心に商業、社会福祉施設など幅広い業種から賛同を得ている。規模別では従業員数50人未満が約5割を占める。

 浜田勉安全課長は「無駄な作業がなくなれば事故の減少とともに、生産性が向上し、労働時間が短縮できる。安全は利益につながることを知ってほしい」と話す。

 同労働局では27年度までに賛同事業場を2千まで増やし、労働災害の減少につなげたい考えだ。

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