那須サファリ事故で略式起訴 業過傷害罪で元飼育員 トラに襲われ3人負傷事故

飼育員がトラに襲われる事故があった「那須サファリパーク」

 那須町高久乙の「那須サファリパーク」で2022年1月、飼育員3人がトラに襲われ負傷した事故で、大田原区検は26日、業務上過失傷害罪で元飼育員男性(26)を略式起訴した。また区検は同日、労働安全衛生法違反罪で園の運営会社「東北サファリーパーク」(福島県二本松市)と現場責任者の男性支配人(49)を略式起訴した。

 業務上過失傷害罪の起訴状などは、元飼育員男性はベンガルトラなど肉食動物の飼育や保管の業務に従事していたが、ベンガルトラ「ボルタ」をアニマル通路から獣舎に収容する業務上の注意義務を怠り、22年1月4日午後4時半ごろ、ボルタを通路に残したまま終業した過失で、翌5日午前8時20分ごろ、通路に入ろうとした飼育員女性や助けようとした計3人がボルタに襲われ、重傷を負わせた、としている。

 宇都宮地検は26日、業務上過失傷害容疑で県警が書類送検していた男性支配人や当時の飼育員の計5人については不起訴処分とした。地検は不起訴の理由を公表していない。

 一方、労働安全衛生法違反罪の起訴状などは、22年1月5日、園の従業員に動物の飼育や保管の業務を行わせるに当たり、事故時の応急処置や避難に関する教育を行わなかった、などとしている。大田原労働基準監督署が23年5月、同法違反容疑で同社と男性支配人を書類送検していた。

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