GMとフォード、米自動車需要に明るい見通し=CFO

Nathan Gomes Joseph White

[26日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの最高財務責任者(CFO)は26日、国内の自動車市場と自社の利益について明るい見通しを示し、米消費者の需要は依然として力強いとの認識を示した。

GMのポール・ジェイコブソンCFOは、同社のインセンティブが縮小する中、2月の好調を受け、3月の自動車販売は極めて力強いように見えると述べた。その上で、今年は実に快調に滑り出し、2─2.5%程度の値下げを想定していたが、これまでに値下げは見られないと説明した。

フォードのジョン・ローラーCFOは、年間コア利益が100億─120億ドルとの従来見通しを維持した。「米市場はかなり良好で、価格も予想以上に持ちこたえている」と述べた。ただ、電気自動車(EV)需要は「業界予想を大きく下回っている」とし、同社はEVの生産計画を削減して、生産能力を需要に合わせていく方針を示した。

ローラー氏によると、フォードはセダン、スポーツタイプ多目的車(SUV)、トラックの基礎となる新たな低コストEVアーキテクチャーに取り組んでいる。中国の比亜迪(BYD)や米EV大手テスラに対抗するための低コストEV計画が、今年50億ドルと見込まれているEV部門の赤字から回復する上で不可欠だという。

EVについてGMは、年内に年間20万─30万台との生産目標を達成できる見通しを示した。ジェイコブソン氏は、死亡事故で調査中の自動運転部門のクルーズについて、費用と逆風を乗り切らなくてはならないとしながらも、「この事業にはなお大きな可能性がある」との見方を示した。

両社とは対照的に、クライスラーの親会社であるステランティスは今月、コスト圧縮、効率化、EV増産を推進するために米国の従業員約400人を削減すると発表している。

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