被害金額は1億1120万円…役場かたり「医療費や保険料還付」 埼玉で還付金詐欺が増加 ATMなどでの被害多数

埼玉県警がコンビニエンスストアに配布する、還付金詐欺の注意を促す案内板(県警提供)

 還付金詐欺の発生が増加しているとして、埼玉県警は注意喚起を強化している。1月から3月21日までに認知した特殊詐欺の発生件数は227件で、昨年1~3月の発生件数からは33件減少したものの、還付金詐欺は24件増の73件と大幅に増加。県警は「ATMでお金が戻ってくることはない」などと呼びかけている。

 県警特殊詐欺総合対策本部によると、還付金詐欺は役場をかたったものが多く、被害者のもとに医療費や保険料などの還付が受けられる旨の電話がかかってくるという。被害金額は昨年1~3月と比較して2倍以上で、5674万円増の1億1120万円。被害者は60~80代の高齢者が9割を超えた。無人のATMなどに誘い出され被害に遭うケースが目立つという。同本部は還付金をかたった詐欺が急増している背景について、「検挙されるリスクを下げるため、受け子を必要としない詐欺にシフトしているのでは」と分析している。

 これを受け、県警では高齢者宅を中心に戸別訪問して直接注意を促すほか、「ATMで還付金は受け取れません」などと記された案内板をコンビニエンスストアに配布するなどの対策を実施。被害者の大半が固定電話の留守番設定をしていなかったことから、「設定をしっかりしていただき、不審なことがあれば県警に相談してほしい」としている。

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