米FRB、昨年は過去最大の赤字 大幅利上げで利払い増加

Michael S. Derby

[26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26日、2023年の財務状況(監査済み)を発表した。インフレ抑制に向けた積極的な利上げで、銀行の準備預金などへの利払い費が大幅に増え、過去最大となる1143億ドルの赤字を計上した。

22年は588億ドルの黒字だった。FRBは損失計上が金融政策の運営に影響することはないとしている。

23年の銀行の準備預金への利払い費は1768億ドルに達し、前年比1164億ドル増加した。リバースレポ・ファシリティーからの利払い費は1043億ドルで、前年の419億ドルから増加した。

一方、保有債券から受け取る利息は1638億ドルで、前年からほぼ変わらずだった。

FRBは赤字が発生した場合、バランスシート上に「繰り延べ資産」と呼ぶ項目を設けて計上し、将来黒字になれば、まず繰り延べ資産の解消をしてから通常のように剰余金を国庫に納付する。

23年末時点の繰り延べ資産は1333億ドル、24年3月20日時点は1578億ドルとなっている。

FRBは1月に未監査の財務状況を公表していた。

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