長崎能力開発センターが37年の歴史に幕 知的障害者の就労推進 長崎・雲仙市

閉校宣言をする田島理事長=雲仙市瑞穂町、長崎能力開発センター

 1987年に開校し、知的障害者の就労や雇用促進を全国に先駆けて推進した、社会福祉法人南高愛隣会(長崎県諫早市)の職業能力開発訓練施設「長崎能力開発センター」(雲仙市瑞穂町)が3月末、幕を閉じる。閉校式が26日、同センター体育館であった。
 障害者の雇用に関する法律の改正に伴い知的障害者が対象となった87年、県など第三セクター方式の職業訓練法人として開校。2015年から県立長崎高等技術専門校が南高愛隣会に訓練を委託した。就労系福祉サービスの拡充などを背景に、近年は定員割れとなる年が続き「社会的役割を一定終えた」として閉校を決めた。
 手延べそうめんを作る「麺製造科」などがあり、訓練期間は2年間。修了生は本年度の16人を含め計672人。このうち3月末時点の就職者は計643人(うち一般就職555、就労継続支援A型事業所88)。就職率は95.7%となる見込み。
 式には約160人が出席。田島光浩理事長は閉校宣言で「障害者雇用への理解は大きく前進したが、修了生の多くが企業の一員として現場で活躍し、企業、地域、社会全体を変えたたまもの」と述べた。
 修了生OBを代表し、プロ和太鼓グループ「瑞宝太鼓」で活動する坂田一星さん(32)は「センターで教わった『希望・努力・感謝』を胸に仕事に、生活にしっかりと頑張っていく」と感謝の言葉を述べ、母校との別れを惜しんだ。

© 株式会社長崎新聞社