カナダ中銀、FRBに先行して利下げか 成長鈍くインフレ沈静

Promit Mukherjee

[オタワ 26日 ロイター] - カナダ銀行(BOC、中央銀行)は米連邦準備理事会(FRB)に先行して利下げを開始する公算が大きいと、市場関係者は見ている。カナダは経済成長が振るわず、インフレが沈静化しており、近く利下げに踏み切る環境が整っているため。

カナダは純可処分所得に対する家計債務の比率が主要7カ国(G7)で最も高く、経済が金利に極めて敏感に反応する。そのため中銀は今の金融政策サイクルでより大きな利下げが必要になるかもしれない。

またカナダは昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)成長率が、主要貿易相手国である隣国米国の年率3.2%に対してわずか1%にとどまった。

モネックスの外為分析チームを率いるサイモン・ハーベイ氏は「カナダ経済は金利上昇の圧力に屈服した。だからFRBと同じ土俵に立つことはできない」と述べた。ハーベイ氏はカナダ中銀が6月に25ベーシスポイント(bp)の利下げを決めると見込んでいる。

短期金融市場はカナダ中銀が6月5日の会合で25bp利下げする確率を70%と織り込んでいる。先週発表の統計がインフレの予想外の鈍化を示してからは、4月10日の会合で利下げが決まる確率も20%に上昇した。

一方FRBは6月11─12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを開始するとの見方が大勢となっている。

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