八代亜紀さん死因「間質性肺炎」は予防難しく急速悪化も 息切れや空せき…福井の医師「早めに受診して」

間質性肺炎とは

 歌手の八代亜紀さんが昨年末、急速進行性間質性肺炎のため73歳で亡くなった。間質性肺炎は肺の組織が硬くなって酸素を取り込みにくくなる病気で、急速に悪化するケースもある。福井大学医学部附属病院(福井県永平寺町)呼吸器内科の早稲田優子医師は「予防するのは難しい。早く見つけて早く治療を始められるかが重要」と話す。

 間質性肺炎は、肺の末端部分にあるブドウの房のような肺胞の外側「間質」に炎症や線維化が起こる病気の総称。炎症や線維化により間質が厚くなって硬くなると、酸素を取り込み二酸化炭素を排出する肺胞が膨らみにくくなるため息切れなどの症状が出る。

 間質性肺炎の原因は、膠原病や薬の副作用、粉じんやアスベスト(石綿)を長年吸い込んだことによるじん肺、カビなど。原因を特定できない場合もある。主な症状は一般的な肺炎と異なり、階段の上り下りや着替えなど体を動かした時に息切れがしたり、たんを伴わないコンコンという空せきが長期間続いたりする。進行すると呼吸困難がひどくなったり、急激に進行したりして命に関わる場合もある。早稲田医師は「自覚症状があったら早めに受診して」と呼びかける。

⇒【さらに詳しく知る】間質性肺炎の診断や治療は

© 株式会社福井新聞社