新潟ガストロノミーアワード 上越地域若手料理人3人が受賞 地域食材にほれ込み研さん

「若手シェフ部門30」に選ばれた(左から)渡辺さん、佐藤さん、西脇さん(和の食樹翠で)

県内の卓越した若手料理人を選ぶ「新潟ガストロノミーアワード若手シェフ部門30」(県観光協会ほか主催)で、上越地域の3人の料理人が選ばれた。3人とも地元の食材にほれ込み、そのうまさを引き出そうと研さんを積んでいる。

「和の食樹翠」(上越市仲町3)の佐藤翔さん(34)は福岡県出身。上越市に来た当初、雪室野菜のうまさに衝撃を受けたという。「赤身のうまさがいい」というくびき牛、酒かすをはじめ、上越ならではの「発酵」を取り込んだ料理を供する。審査員からは「緻密で奥深く、新潟食材に対する真摯(しんし)な姿勢が表れている」と評された。

清耕園ファーム(糸魚川市東海)のレストラン「murir(ミュリール)」の渡辺光実さん(32)は、農園で収穫されるコメが何者にも代えられない食材。「料理の、食の原点」(渡辺さん)という薪(まき)焼きの技法を取り入れ、ジビエや魚を焼き上げる。審査員に「ポテンシャルが高く、将来を大いに期待させる」と言わしめた。

「割烹西和喜」(妙高市東雲町)の西脇幸喜さん(31)は、海の幸で献立を構成し「可能な限り糸魚川の魚を使っている」(西脇さん)。審査員は「魚介の扱いは巧み」と評する。遠方からの来客には「魚がこんなにたくさん食べられるなんて」と喜ばれるという。

3人は若手料理人の仲間として、情報を交換し、ときに食材も紹介し合う。ジビエや魚、野菜などさまざまな地元食材の情報を共有し、研さんを積み、今後も地元を料理で盛り上げていくつもりだ。

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