茨城県内公示地価 みらい平、3年連続上昇率1位 住環境、アクセス人気 

新しい一戸建てが並ぶ住宅街=つくばみらい市紫峰ケ丘

国土交通省が26日発表した2024年の公示地価で、つくばエクスプレス(TX)みらい平駅に近い「つくばみらい市紫峰ケ丘2丁目」の上昇率が10.6%となり、3年連続で茨城県内1位となった。広い住宅敷地や商業施設の充実など整った住環境や良好なアクセスが子育て世代を中心に人気を集めており、市は将来の人口増を見据え新たな宅地開発の可能性を探る。

同地点は同駅から約1キロ離れたエリア。周辺を含むみらい平地区は、TX沿線開発によって現在も開発が進められており、真新しいアパートや一戸建て住宅が立ち並ぶ住宅街となっている。

同市紫峰ケ丘で暮らす会社員、清田雄輝さん(40)は16年、子どもが生まれたことをきっかけに移住を決めた。十分な広さがある住宅敷地、道幅が広く安全に配慮した道路に「開けた環境でゆとりのある雰囲気が気に入っている」とまちの印象を語る。

周辺に公園も多く、「子どもと遊ぶ場所には困らない」。同地区内にはスーパーやドラッグストアも点在しており、「食料品や日用品がすぐに買いに行けるのがいい」と住み心地の良さを指摘する。

住みやすさに加え、人気を集める背景の一つが良好なアクセス。みらい平駅からは、大型商業施設が立地する千葉県流山市のTX流山おおたかの森駅まで最速14分、秋葉原駅までは同41分だ。

このため、市によると、紫峰ケ丘を含む同地区の人口は近年、右肩上がりで増加を続けている。今月1日時点では1万7421人と、前年同月に比べ479人増加しているという。昨年12月には同市初となる産婦人科診療所が新規開業し、子育て環境も充実しつつある。27年には中学校も新設予定だ。

住みやすさや良好なアクセスで子育て世代の人気を集める同地区だが、近年は宅地造成できる土地は不足しつつある。

市は今後の人口増加を見据え、24年度には隣接エリアで新たな宅地開発の検討に着手する方針という。

■水戸 31年ぶり住宅地上昇

茨城県水戸市では、千波町の2地点をはじめ、笠原町、吉沢町、内原町の住宅地計5地点で公示地価が上昇した。同市住宅地の地価上昇は31年ぶり。各地点の上昇率は0.2~0.8%と微増だったものの、市内の東西を結ぶ国道50号に近いなど良好な交通アクセスや住みやすさが背景にあるとみられる。

市などによると、県庁が立地する笠原町では近年、宅地造成が進み、人口が増加。内原町では大型商業施設に加え、国道50号や常磐自動車道水戸インターチェンジに近いなどの利点があり、地価を押し上げたとみられる。

千波町の2地点のうち、1地点は国道50号に近く、もう1地点は中心市街地まで車で10分程度の閑静な住宅街。吉沢町は、人気の笠原町に隣接し集合住宅が多く立ち並ぶ。近隣の元吉田町には大型ホームセンターなどもあり、住環境の良さが上昇の背景にあるとみられる。

市は、県庁や商業施設など市内の拠点施設を結ぶ道路網整備を進める方針。

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