県内公示地価、商業地が31年ぶり横ばい 住宅需要が押し上げ

 国土交通省は26日、今年1月1日時点の県内の公示地価を公表した。1994年から下落が続いていた商業地が31年ぶりに横ばい(前年比0.0%)に転じた。堅調な住宅需要が商業地を押し上げた。住宅地は前年比0.3%で3年連続のプラス。全用途は0.2%で2年連続の上昇となった。

 商業地は、調査した61地点のうち41%に当たる25地点が上昇した。前年から約8ポイントアップしている。市町別では山形、天童、東根の3市が上昇。酒田、長井、南陽、三川の4市町が横ばいだった。他の市町は、おおむね下落率が縮小した。

 商業地で価格が最も高かったのは10年連続で山形市七日町1丁目。1平方メートル当たり21万9千円となった。同市内でも住宅地が裏手にあるような路線商業地の上昇率が高い。調査で県代表幹事を務めた月田真吾不動産鑑定士は「住宅地価格が商業地の下落を抑えた」と分析する。新型コロナウイルス禍の収束による経済活性化も要因にあるという。

 住宅地は山形市の上昇率が大幅に縮小した。建築費の高騰などが影響し、上昇率が1ポイントダウンして1.1%となった。工業地は7年連続のプラスで1.1%。調査した7地点全てで上向いた。

 調査地点は県内30市町の198地点(住宅地127、宅地見込み2、商業地62、工業地7)。

© 株式会社山形新聞社