推しで部屋を彩り、推しぬいとデート…アーティスト活動10周年を迎える大橋彩香の“推し活マイルール”「できる範囲で推しの経済を回したい!」

推させる側にも推しがいる。
そして、推される側だからこそ”推し方のコダワリ”があるはず。

そんな推されている人たちがどのように推し活をしているのか話を聞く「推し活マイルール」。

今回登場いただくのは、2024年にアーティストデビュー10周年を迎える声優アーティスト・大橋彩香さん

『黒子のバスケ』『東京卍リベンジャーズ』『ブルーロック』など、男子キャラクターがたくさん登場するアニメや漫画にハマりがちな大橋さん。最近は、映画の影響で『ハイキュー‼』に再燃しているそう。

また、幼少期からコレクション癖があり、「グッズやガチャでとにかく推しにお金を使う」「推しのグッズで家の中を彩る」といった推し活エピソードを繰り広げます。

そんな大橋さんが掲げる推し活マイルールは、「出来る限りコンテンツの経済を回す」。そして、声優・アーティストとして推される側でもある彼女の今の目標を、「ファンにとって自慢の推しになる」と話します。

推す側、推される側、どちらの気持ちも理解している大橋さんの推しトークをたっぷりとお届け!

さらに、ずっと抱いてきた「個性がない」という悩みを表現し、自分らしい歌い方や新しい一面を見い出した4th Album『Reflection』についてもお聞きしました。

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今の最推しは『ハイキュー‼』「映画はあと5回観に行こうと思っています」

――早速ですが、大橋さんの“今の推し”についてお聞かせください!

大橋彩香(以下、大橋):
いつも同時並行でいろんなものにハマりがちなのですが、最近だと『ハイキュー‼』ですね。声優になる前、かれこれ10年以上好きな作品ではあるものの、映画(『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』)を観に行ったのをきっかけに再燃してしまいました。

『ゴミ捨て場の決戦』が本当に最高で……顔を左右に傾けて涙が流れないように、必死で涙を目に馴染ませていました(笑)。あと5回は観に行こうかなと思っています!

――もともとバレーボールはお好きだったんですか?

大橋:
いえ、『ハイキュー‼』にハマる前はテレビで試合が放送していたら観るくらいで。そこまでバレーボールに詳しくありませんでした。

だけど、私は推しの気持ちを知りたいタイプなので、『ハイキュー‼』にハマってから実際にバレーボールの試合を観に行ったり、実際に自分でもプレーしてみたりして、「推したちはとんでもないことをしているんだな!」と身をもって体感しました(笑)。

――ご自身でバレーボールをプレーするまでハマっていたとは……! そこまで大橋さんを熱くさせる『ハイキュー‼』の魅力とは?

大橋:
ストーリーもキャラクターも全部魅力的です。原作漫画はもちろん面白いのですが、アニメになると演出や音楽周りのこだわりをすごく感じて、トータルで総合点数が高すぎる作品だと思います。

また、『ハイキュー‼』はキャラ同士の関係性もすごく好きです。関係性オタクなところもあるので、研磨(弧爪研磨)とクロ(黒尾鉄朗)の幼馴染の関係性や、及川さん(及川徹)と岩ちゃん(岩泉一)の最高の相棒の関係性がたまらない……。

ちなみに、『ゴミ捨て場の決戦』でクロの株が爆上がりしました。漫画で読んでいた時よりも好きになって、『ハイキュー‼』好きな友達と「クロはいい男だな……」と盛り上がりました(笑)。

――『ゴミ捨て場の決戦』で活躍する黒尾を含め、『ハイキュー‼』は個性豊かで魅力的な学校やキャラクターが多く登場する作品ですが、中でも大橋さんが推している学校やキャラクターを教えてください!

大橋:
推し学校は主人公・日向翔陽が所属する烏野高校なのですが、どの学校も試合に負けてほしくなくて「みんな優勝でよくない!?」という気持ちでいつも彼らの試合を観ています。

最推しキャラは及川さんです。及川さんへの愛が1番深い気がします。

――及川さんのどんなところが推しポイントですか?

大橋:
普段はニコニコして人当たりが良いのに、実は負けず嫌いで子どもっぽい、それなのにチームメイトからは絶対的な信頼を置かれているところが好きです。天才に対してコンプレックスがあって、飄々としているのにすごく努力家なところもギャップがあって魅力的ですね。私も天才に対してコンプレックスがあるので共感してしまいます(笑)。

ほかにも、どの学校でも「セッターが好き」という共通点があって、及川さんとの関係が深いキャラである影山飛雄も好きです。

グッズ、ガチャで“推しを収集”「とにかく推しにはお金を使うタイプです(笑)」

――「同時並行でいろいろなものにハマっている」とお話されていましたが、『ハイキュー‼』のほかにどのような作品へハマってきたのでしょうか?

大橋:
昔から好みのキャラクターをモチベーションに作品へ触れることがほとんどなので、歴代ハマった作品はすべてキャラクターの男女比の割合で男子の方が多いと思います。『ハイキュー‼』もそうですし、『黒子のバスケ』『東京卍リベンジャーズ』『ブルーロック』とか。キャラ構成が基本男子!(笑)

よりどりみどりなので、そこから推しキャラを見つけています。

――どんなキャラクターを推しがちなのでしょうか。

大橋:
『ハイキュー‼』の及川さんのほかに『黒子のバスケ』の黄瀬涼太とかも好きなのですが、先ほどお話した関係性オタクでもあるので、ライバルや相棒など関係値の深いキャラがいるキャラを好きになりがちだと思います。

昔は、人にからかわれると「やめろよ!」と吠えるようなワンコ系のキャラか、自分の年齢より年上のキャラを好きになりがちだったんですけど……25歳を超えたあたりから年下のキャラを「カワイイな……」と思うように。

自分の年齢が上がったことにより、金髪で青い目、銀髪で赤い目などちょっと中二病心をくすぐられるような、母性を掻き立てられるようなキャラを好きになりました。ほかにも、今はクール系や少し変わり者のキャラも好きです。触ったらヤケドしそうなとげとげしいタイプのキャラも魅力的ですね……。

――かなり守備範囲が広いですよね。

大橋:
結構ブレブレだと思います。結局はイケメンだったら何でもいい!(笑)

――推しキャラの共通点が「イケメン」というのは分かりやすい(笑)。そんな推しキャラたちを大橋さんはどのように推しているのでしょう。

大橋:
そうですね……(逡巡しながら)とにかく推しにはお金を使うタイプですね(笑)。グッズを集めたり、コラボカフェやコラボイベントに足を運んだり。アプリゲームのガチャで推しキャラがピックアップされた時には、完突するまでガチャを回します。

例えば、今1番ハマっている『ハイキュー‼』だと、マネージャーさんを連れて『ハイキュー‼』コラボをしている回転寿司へ行きました。5皿で1回まわせるガチャガチャがあるのですが、ラバーストラップが欲しいのに缶バッジしか当たらなくて……「ひーひー」言いながら頑張ってたくさん食べました(笑)。

あと、最近はぬいぐるみを集めるのにもハマっています。

――“ぬい活”もしているんですね。

大橋:
はい! 推しキャラクターのぬいと一緒に出かけて、写真を撮っています。

中国の『未定事件簿』という乙女ゲームにハマっている時、ちょうど中国でファンミーティングをする機会があったんですね。

なので、『未定事件簿』の推しキャラのぬいと一緒に上海のディズニーランドへ。乙女ゲームのキャラぬいとジェラトーニ(ディズニー『ダッフィー&フレンズ』の世界に登場するキャラクター)のぬいぐるみという異質な組み合わせで楽しんでいました(笑)。

推しと一緒にいられる気持ちになったり、推しが形として残ったりするものが欲しいタイプのオタクなんです。

――お話を聞いていると収集癖もありそうだなと思うのですが、子どもの頃から何かを集めることが好きだったのでしょうか?

大橋:
昔からコレクション癖はありますね。これは同じくコレクション癖があるお父さんの影響です……。

子どもの頃から大きな本棚に漫画を出版社別、さらに作家名で「あいうえお」順に綺麗に並べるとか。CDやブルーレイも同じようにキレイに並べて「これだけ集めたぞ!」と達成感を得るのがすごく大好きでした。

カードゲームにハマっていた時も、「全種類揃えたい!」とコツコツ集めていたこともあります。プレミア価格のついたカードはお父さんに買ってもらっていました(笑)。お父さんもコレクション癖があるから、私の気持ちを理解してくれていたと思います。

――コレクション癖があると部屋の中が物で埋め尽くされそうですね(笑)。

大橋:
実家も自分の家もすごく物が多いです(笑)。アクリルスタンドが部屋の中に大量にありますよ。空気清浄機の上、トイレ、玄関、台所のカウンター……「とにかくこのキャラのビジュアルが好きだから、このキャラに家の中を彩ってほしい!」と、いろんなところにグッズを置いています(笑)。

――大橋さん、猫ちゃんと一緒に暮らしていますよね。飾っていると落とされたりしませんか……?

大橋:
猫ちゃんと暮らしていても意外と大丈夫なのですが、一度だけグッズを飾っているところにジャンプされて、アクスタが何個か割れました。「アクスタってめちゃめちゃ高いんだからな!」と猫ちゃんに言いました(笑)。

そういうリスクはあるものの、買ったらすぐに見える場所に飾りたいんですよ。それで、家に来客があった時には、「見て! 私の推し!」とやりたくて(笑)。推しを布教して推しが褒められると嬉しくなるので、来客があった時にはできるだけ布教するようにしています。

――推しは布教したいタイプなんですね。

大橋:
中学生の頃は「同担拒否!」という気持ちがありましたけど、今はむしろ仲間をつくりたいです! 推しの良さを一緒に語りたい。人に教えてもらって知る推しの魅力もあるから、今は同じ推しの人が推しの魅力を話してくれるとすごく嬉しいです。

大橋彩香の推し活マイルールは「出来る限りコンテンツの経済を回す!」

――大橋さんが推し活をするにあたってこだわっていることや常に意識していることはありますか?

大橋:
「出来る限りコンテンツの経済を回したい!」と思っているところがあります。好きなコンテンツが永続的に続くことが1番嬉しいですから! 人気コンテンツになってもらうこと自体もすごく嬉しいですし、人気があることによってグッズの供給も増えるので、協力できることは出来る限りしたいですね。

とはいえ、やみくもにお金を使うのではなく、大人なのでお金の使い方はちゃんと考えています。アプリゲームでガチャを引くタイミングもしっかり決めているんです。

推しキャラのピックアップまでは召喚石を貯めておいて、いざその時がきた時に引きます。完突までは課金することもありますけど、それ以外で課金することはありません。そして、推しのピックアップが終わったら別の推しに貢ぐ……そうやって経済を循環させています。

それに、もし破産したら推しコンテンツを応援できなくなってしまいますしね(笑)。「今だ!!」というタイミングをしっかり見極めるようにしています。長く応援できることが1番ですから。

――「コンテンツを長く応援できるように経済を回す」という価値観は、大橋さん自身が“推される側”として得たことなのでしょうか。

大橋:
声優になる前もなった後もオタクとしてのスタンスは変わらずに続けているかもしれないです。子どもの頃からコレクション癖があるので、そこに通ずる考え方なのかなと。

少し話は逸れますが、好きなコンテンツに近いお仕事をしていても、お仕事に関係なくただただファンでいられるんですよ。「もともと乙女ゲームが好きだったのに、この仕事を始めたらできなくなってしまった」という人もいるみたいだけど、私は「趣味は趣味」「仕事は仕事」「推しは推し!」と考えるタイプなので、今でも乙女ゲームが好きでプレイしています。アニメイトにも行きますよ。

――自分がキャストとして参加する可能性もありますよね。

大橋:
ありますね。実際にモブキャラクターのキャストとして好きな作品に参加したこともあります。だけど、「その作品を好き」という気持ちに変わりはありません。

▼田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、Bimi…クリエイターと作り上げた4th Album『Reflection』を語る

悩みを歌に昇華し「2024年の大橋彩香」を表した4th アルバム『Reflection』

――2024年3月27日発売の4thアルバムについてもお話を聞かせてください。タイトルの『Reflection』を含め、アルバムのコンセプトはどのように決めていったのでしょうか?

大橋:
今回は、いろんな私をいろんな角度から見てほしいと『Reflection』というタイトルを付けました。

これまでのアルバムって『起動 ~Start Up!~』 『PROGRESS』『WINGS』と、「始まり」「進化し」「羽ばたく」……「ホップ・ステップ・ジャンプ!」という前向きで元気な印象のあるタイトルを付けてきたんですね。

それは、いろんなジャンルの楽曲を歌ってはいるものの、タイアップでアニメのオープニングテーマを担当する機会が多かったので、必然的に明るく元気な楽曲が多かったという理由があります。

だけど、中には自分のちょっと暗い部分や自分の内側にある感情を歌う曲もあったから、今回はそんな多角的な自分を見せていけたらいいなとコンセプトを定めて。「reflection」という言葉には、「反射、多角的、内省する」など、いろんな意味が含まれているのでピッタリだと思ったので、このアルバムタイトルになりました。

――様々なクリエイターさんが楽曲制作に関わり、ジャンルレスな楽曲が収録されているので、「多角的」という言葉がピッタリですね。

大橋:
実は、今回楽曲制作に携わってくれているクリエイターさんたちはみんな私から「この方に作っていただきたいです」とリクエストしました。どの楽曲もとっても素敵でお気に入りです。

――一緒に楽曲制作をして印象に残っているクリエイターさんはいますか?

大橋:
「水鏡」を制作してくださったBimiさんと「Flash Summit!!」の田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)さん。

Bimiさんは以前から楽曲を聴いていて、Bimiさんの創り出す世界観にいつも圧倒されていましたし、私には表現できない自分の内面の奥深くを反映させた楽曲に憧れていました。なので、今回勇気を出してお願いしたら作ってくださったんです。

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すごく素敵な楽曲を作っていただいたのですが、正しい音程を取るのがとても難しく、過去1番苦戦しました……。

だけど、「水鏡」のレコーディングにBimiさんが来てくださって、その場でディレクションをしてくださったんですよ。すごくアーティスティックなディレクションだったのですが、ご自身もアーティストとして活躍されているからか歌い手側の視点でとても分かりやすくアドバイスをしてくださいました。

――Bimiさんから言われて、特に「なるほど!」と思ったアドバイスはありますか?

大橋:
「ここはもっと色気を出して歌ってください」と言われたのが強く印象に残っています。自分の楽曲で色気を出すことは今までなかったので、最初はすごく恥ずかしくて……!

だけど時間が経った今、改めてこの曲を見つめ直すと、「恥ずかしくて隠していたけれど、ずっと持ってきたもの」をようやく出せたような感覚があります。

私だけではなかなか引き出すことのできない一面を引き出してくださって、とてもありがたかったです。恥ずかしさはありますけど、新しい自分をファンの皆さんに見てもらえる1曲になったと思っています。

――とても“大人っぽさ”を感じる楽曲だったので納得です。そして、もう1つ挙げていただいた「Flash Summit!!」の田淵さん。落ちサビからのアウトロまでの流れが、「田淵さん節全開だな!」と思いながら聴いていました。

大橋:
そうなんです! 田淵さん節全開の曲を作っていただきました! 「いつか楽曲を作ってほしい」とずっと思っていたので、今回お願いすることができて本当に嬉しいです。

――デモ音源を最初に聴いた時は、いかがでしたか?

大橋:
最高でした……。UNISON SQUARE GARDENの「桜のあと (all quartets lead to the?)」という曲が大好きなんです。疾走感があって爽やかなのに、泣きメロ的な切なさがあって。

だから、田淵さんにご依頼する時にも、「桜のあと」を例に出しながら「ライブのアンコールやライブのラストにみんなで歌って輝くような楽曲を歌ってみたいです」とお伝えしました。

加えて、「打ち込みなしの完全バンドサウンドで、ど頭はアカペラが良いです! どんなに難しくても頑張って歌います!」といろいろオーダーしました(笑)。

――実際にレコーディングしてみてどうだったのでしょうか。苦戦しましたか?

大橋:
すごく大変でした……(苦笑)。でも、「頑張ります!」と言った手前、頑張らなきゃいけないと思って臨みました。

大変というのも、実は「Flash Summit!!」のレコーディングの時、私の中で少しスランプだったからです。今までにやったことのないような歌い方を勉強しなければいけなかったタイミングで、「どんな歌い方が正解なんだろう……」「正しい発声をしながら自分らしさを出すためには、どうしたらいいんだろう」「どうすれば歌で本物の自分になるんだろう」と悶々としていました。

そんな悩みの中でレコーディングした「Flash Summit!!」。前向きな楽曲に助けられ、“自分らしい歌い方”をたくさん詰め込めた気がしています。「これが大橋彩香だぞ!」と自信を持って言えるような歌い方ができたんじゃないかな。光を浴びたような、そんなレコーディングでした。

――アルバムのリード曲でもある「Flash Summit!!」ですが、リード曲なのに1番最後に持ってきているのは珍しいなと思いました。

大橋:
以前から「インスト曲から始まるアルバムを作りたい」とお話をしていたんですね。今回はその要望を汲んでくださって、プロデューサーさんから「『Stone Cold』にインストをつけるのはどうですか?」とご提案いただきました。

そのあと、最後にどの曲を持ってくるか考えたのですが、「水鏡」か「Flash Summit!!」で悩んだんですよ。いろいろ考えたのですが、シャッフルせずアルバムの曲順通りに聴いた時に「やっぱり大橋彩香ってこれだよな」と思ってもらえるようにしたくて。

「大橋彩香のパブリックイメージでアルバムを締めたい」と思ったし、「ライブでラストに歌える曲」とご依頼した経緯もあり、「Flash Summit!!」を最後に持ってきました。

――曲順まで考え尽くされたアルバムというのが伝わってきます。ちなみに、大橋さんの“推し曲”はどの曲ですか?

大橋:
どの曲も素敵ですが、私の推し曲は「Don't need color」です。最初にデモ音源を聴いた時も、耳にスッと入ってきて、レコーディングも苦戦せず、とてものびのび歌えた楽曲でした。生バンドで早く歌いたいと思っています。

――「Don't need color」の推しポイントがありましたら知りたいです。

大橋:
歌詞ですね。「Don't need color」は自分の悩みを歌詞にしてもらっています。

私は曲調にこだわるタイプなので毎回「こういう曲調がいいです」とお伝えすることはあるのですが、歌詞に関してはあまり意見を言わないことが多いんです。だけど、今回のアルバムを制作する前に、プロデューサーさんから「どんな歌詞を歌いたい?」と聞いていただくことが多くて。それなら、自分が考えていることや思いを歌詞に落とし込んでもらえたら嬉しいなと思いました。

私、昔から「あまり個性がないこと」「自分は器用貧乏であること」と悩みながら生きてきたんですね。声優やアーティストの世界って個性がある人が強いから、「この世界でどう生きていけばいいのか」「無個性の自分の価値はなんだろうか」と思っていることを歌にしてもらいたいとお願いしました。

そしたら、「無個性は何色にもなれるから大丈夫」と言ってもらえているような前向きな歌詞にしてくださって……個性を色に例えて、その例える色に赤(真紅)を選ぶという。よく楽曲制作に携わってくださるKanata Okajimaさんが「Don't need color」も作詞をしてくださったのですが、天才だなと思いました。

私の悩みがいつもポジティブな歌に変わっているから、Okajimaさんに励まされている気持ちになります(笑)。直接やり取りすることはないのですが、出来上がった歌詞を見て「頑張ってね」と言われているような気がして。絶対にバッドエンドの曲がないので、すごくありがたいです。毎回噛みしめながら歌っています。

――「Don't need color」の歌詞を見て、個性に対して前向きな気持ちになれましたか?

大橋:
元気はもらえましたけど、自分の個性と向き合うことにはまだまだ時間がかかりそう(苦笑)。

ただ一つ思っているのは、根本的な解決に至らずとも、こういう曲の存在があることによって、後ろ向きにならずにいられるということ。「Don't need color」は歌詞が響く人も多いんじゃないかなと思います。定期的に聴いて己の自己肯定感を上げていきたいし、リスナーの皆さんにも自己肯定感を上げてもらいたいです。

私自身が「己とは何か」「自分と他者との関係性とは」を悩んでいた時期に制作したアルバムだからか、「Don't need color」のほかにも自己肯定感を上げてくれるような楽曲が多いと思います。

――クリエイターさんの力を借りながらも、大橋さんご自身が1曲1曲をこだわって制作していることが分かります。

大橋:
「自分の感情メモ」のようなものをスマホのメモ帳に書いていて、そのメモの内容を抜粋して楽曲を作っていただいたんですね。比較的新しい感情を楽曲の中に入れてもらったので、数年経って聴いた時に「2024年の大橋彩香はこんなことを感じていたんだな」と思うアルバムに仕上がりました。

大橋彩香とファンの関係性は「心理カウンセラー」? ファンレターが元気の源に

――今年でアーティスト活動10周年を迎える大橋さん。「推されること」に対して、どのような想いを抱いているか教えてください。

大橋:
ただただ「ありがたい」という気持ちです。私自身にも推しがいるからこそ、“推しがいることでの時間とお金の大変さ”を理解しているつもりです。

推しが出ている配信を毎回観たり、グッズを買ったり、ファンクラブの会員費を払ったり、ライブやイベントのチケットを取ったり、ライブに行くために遠征をしたり、チケットが取れてもいい席じゃなかったり……遠征は朝早く家を出て、帰りはすごく遅いから、翌日普通に日常生活を送るのが難しいくらい疲れたり。しっかり情報を追っていないと見逃すこともあって、見逃すと落ち込みますしね。推しがいるってすごく大変なことじゃないですか。

私を推してくれている方たちは、仕事や学校の行き帰りの時間とか、アニメ、ラジオ、ライブなど様々なコンテンツを追って、私のためにわざわざ時間を割いてくれている。ありがたい以外の言葉が見つからないですよ……。

でも、推しがいることによって「自分の心に潤いが保たれる」と知っているので、自分がみんなの湿度のようなものになっているのであれば、すごく嬉しいなと思います。

――「みんなの心の潤いになりたい」とのことですが、ご自身とファンをどんな関係性だと感じていますか?

大橋:
ギブアンドテイクの関係だと思っています! もう少し具体的にお伝えするなら、お互いにいろんなものを与え合う「良きビジネスパートナー」のような関係ですね。

あと、お互いに「心理カウンセラー」みたいなところもあると思います。

――「心理カウンセラー」ですか?

大橋:
皆さんは大橋彩香を推すことで元気に生活できますし、私は皆さんからのファンレターがメンタルケアになっている。私は自分が必要とされていないと落ち込むタイプなので、落ち込んだ時に皆さんからのファンレターを読むと「私って必要とされているんだ。1人でも手紙を送ってくれる人がいる間は、お仕事頑張ろう……!」と思えるんですよね。

私もファンレターを書いた経験があるのですが、ファンレターって書くのがすごく大変なんですよ。毎回カワイイ便箋を買って、下書きして、書きたいことを要約する。すごく労力がかかるのに、毎回イベントごとにファンレターを送ってくださる方もいて、すごく尊敬します。

ライブで応援してくれることはもちろん嬉しいけど、ファンレターはより近くに感じられて好きです。

(DSC01723)

――素敵なお話ありがとうございます! それでは最後に、10周年を迎えた大橋さんが今考えている“推される側としての目標”をお聞かせください。

大橋:
「自慢の推しになる」ですね。「大橋彩香を推しているんだ!」と言った時に、「知らないと思うけれど……」と遠慮がちに説明されるより、「知ってる! あの子すごいよね」と言われるような人間になりたいです。

だから、胸を張ってドヤ顔が出来るくらいの自慢の推しになれるように、失墜することなく頑張っていきたいなと思います(笑)。

(執筆:羽賀こはく、取材・編集:阿部裕華、撮影:上野留加)

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4th Album『Reflection』リリース概要

大橋彩香 4th Album
『Reflection』
3月27日発売

【初回限定盤(CD+BD)】
品番:LACA-35084
価格:¥4,950(税込)

【通常盤(CD)】
品番:LACA-25084
価格:¥3,300(税込)

<収録内容>
1.Prism (Instrumental)
2.Stone Cold
3.Be My Friend!!!
4.Don't need color
5.Connect
6.Nobody Knows
7.水鏡
8.Four Leaves
9.Lovely Days
10.にゃんだーわんだーデイズ
11.大橋彩香 a.k.a HASSY #HASHTAG ME
12.Please, please!
13.Flash Summit!!

大橋彩香プロフィール

大橋彩香(おおはし・あやか)
1994年9月13日生まれ、東京都出身。

大橋彩香 オフィシャルサイト: https://ohashiayaka.com/
大橋彩香 公式X(旧:Twitter): https://x.com/AyakaOhashi
大橋彩香 Instagram: https://www.instagram.com/ayaka_ohashi/
大橋彩香 アーティストYouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/@ayaka_ohashi

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