セバスチャン・ベッテルがポルシェ963初テストを完了。アラゴンで118周を走破し「本当に楽しかった」

 セバスチャン・ベッテルは、スペインのモーターランド・アラゴンで行われたポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの耐久テスト中に、ポルシェ963のステアリングを握って最初の本格的な走行を行った。ポルシェによれば、ベッテルは500km以上の距離を走破したという。

 4度のF1世界王者であるベッテルのテスト参加は、3月22日にポルシェが発表していたものだ。

 ファクトリーでのインストラクションとシミュレーターテストを行い、21日にはヴァイザッハにあるR&Dセンターの社内テストコースでポルシェ963の実車を初めてドライブしたベッテルは、今週、初めて本格的なサーキットでポルシェ963を走らせた。

 ベッテルがドライブしたのは、マット・キャンベル/フレデリック・マコウィッキ/ミカエル・クリステンセンの手によりWEC世界耐久選手権に出場している5号車ポルシェ963。また、ローレンス・ファントール、ケビン・エストーレ、アンドレ・ロッテラーという6号車の3人含め、6名のレギュラードライバー全員がアラゴンでのテストに出席した。

 そんななか、ベッテルは2回のダブル・スティントを走破する形で、計118周/581kmを走行し、ポルシェによれば「何の問題もなかった」という。

「もちろん、僕は他のモータースポーツ分野にも注目しているし、WECやル・マンで活躍しているドライバーをたくさん知っている」とベッテルは語った。

「ある時点で、僕の好奇心は非常に大きく、自分で試してみることを思いついた。ポルシェは僕に963という現行のハイパーカーをテストする機会を与えてくれた。シート調整、シミュレーターセッション、そしてヴァイザッハでのロールアウトを経て、僕はすでに良い感触を得ていたんだ」

「ここアラゴンのサーキットでポルシェ963をドライブするのは、本当に楽しかったよ。はじめはすべてに慣れて、自分のリズムを見つける必要があった」

「頭上には屋根があるだけでなく、より重い重量とタイヤに対処する必要があり、この体験は異なるものだった」

「ポルシェのワークスドライバーたちはとても親切で、何が特別なのか、何に慣れる必要があるのかを説明してくれた。おかげで、僕は楽になったよ」

セバスチャン・ベッテルがドライブしたポルシェ963
アラゴンでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのテストに参加し、ポルシェ963をドライブしたセバスチャン・ベッテル
ミカエル・クリステンセンと話すセバスチャン・ベッテル

■ペンスキーはル・マンに向けた36時間テストも実施

 なお、ベッテルに加えて、昨年のDTMドイツ・ツーリグカー王者であるトーマス・プライニングもアラゴンでのテストにポルシェに参加する予定だ。彼は以前、セブリングとバーレーンで行われたWECルーキーテストの両方で、963をドライブした経験を持つ。

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージングディレクター、ジョナサン・ディウグイドは、「アラゴンはヨーロッパで24時間走り続けられる数少ない場所のひとつで、ル・マンに備えて36時間連続で走る機会を与えてくれる」と語った。

「セバスチャン・ベッテルがここにいることは、チームにとってまたとない機会だ。彼は4度のF1世界チャンピオンだ。彼はハイブリッド・システムと高性能レーシングカーに関して豊富な経験を持っている」

「クルマの状況について彼の新鮮でユニークな視点をもらい、我々のシステムとパフォーマンスにフィードバックを提供してくれる、またとない機会だ。我々は彼をここに迎えられてうれしい。彼は笑顔でクルマから降りてきたし、すべては良かったよ」

アラゴンでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのテストに参加し、ポルシェ963をドライブしたセバスチャン・ベッテル
アラゴンでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのテストに参加し、ポルシェ963をドライブしたセバスチャン・ベッテル(左端)と、レギュラードライバー陣
セバスチャン・ベッテルがドライブしたポルシェ963
アラゴンでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのテストに参加し、ポルシェ963をドライブしたセバスチャン・ベッテルのヘルメット

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