伝統のふすま紙で商業施設彩る 医療的ケア児ら対象にワークショップ

「京織ふすま紙」の端材を壁に貼り付ける親子(木津川市相楽台・イオンモール高の原)

 京都府木津川市の伝統産業品「京織ふすま紙」の魅力を多くの人に知ってもらおうと、同市相楽台の「イオンモール高の原」の柱の壁を彩るワークショップが開かれた。人工呼吸器やたんの吸引などが必要な「医療的ケア児」とその家族らが参加し、思い思いにふすま紙を貼って唯一無二の柱ができあがった。

 ワークショップは発達障害の人と地域企業をつなぐ活動に取り組む「森川企画」(南加茂台)が主催し、織物ふすま紙を製造する市内の事業者らが協力した。

 初回は医療的ケア児や発達障害がある子どもの支援に取り組むNPO法人「ともに」(市坂)のメンバーたちが参加した。子どもたちはハート形や三角形に切り抜いた色とりどりのふすま紙を家族と一緒に壁に貼り付けていた。

 参加した女性(34)は長男(5)の手にローラーを握らせてふすま紙を貼った。長男は移動には車いすが必要で、人工呼吸器が欠かせない。女性は「外に出る機会はとてもありがたい。作ったものがまちに残り、たくさんの人に見てもらえるのはうれしい」と話した。

 森川企画の森川友希さん(39)は「障害がある人もない人も一緒になって笑顔になり、かけがえのない時間になった。このような機会を広げていきたい」と思いを語った。

色とりどりの「京織ふすま紙」で彩られた柱

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