小林製薬の「紅麹」サプリ摂取者が2人死亡、100人以上入院 関連を調査 

大手医薬品メーカー小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分が入った健康食品が、国内で多数の健康被害に関連している可能性が浮上している。同社は26日、摂取した1人が死亡したとし、関連などについて調査を進めていると発表。厚生労働省は同日、同社への調査で、2人の死亡と106人の入院が報告されたと明らかにした。

小林製薬は22日に3種類の紅麹発酵食品の自主回収を発表 。その後、それらを摂取した人の中に病気を発症している人が出ていると報告した。

該当の健康食品「紅麹コレステヘルプ」は、コレステロールを抑制するサプリメントとして売られている。小林製薬は、この錠剤の摂取をやめるよう購入者らに呼びかけた。

同社は、このサプリに使用されている紅麹原料に、これまで検出されたことのない有毒物質が含まれていた可能性があるとした。

遺族から連絡

紅麹は、蒸した米に赤紫色のベニコウジカビ(紅麴菌)を混ぜ入れ発酵させたもの。コレステロール値や血圧が高い人向けの健康補助食品の素材として宣伝されているが、食品の着色料としても長年広く使われている。

小林製薬は26日の発表で、紅麹コレステヘルプと、継続的に購入していた人の死亡に「因果関係」が疑われるとした。

同社によると、その人物は腎臓病で死亡し、過去3年間にわたって紅麹コレステヘルプを摂取していたと、遺族から連絡があったという。

同社は発表で、「事実及び因果関係を鋭意確認中ではございますが、速やかな情報開示の観点からご報告申し上げます」、「当社といたしましては、何よりもお客様の健康を最優先に考えてまいりましたが、今回のような事態に至りましたことを謹んでお詫(わ)び申し上げます」とした。

同社によると、紅麹コレステヘルプを摂取したという人たちからは、尿の変色、手足のむくみ、疲労感などの症状が報告されているという。

同社は今年1月に医師から健康被害の報告を受け、調査を開始した。その後、健康相談受付センターを設置した。

紅麹コレステヘルプは2021年2月に発売された。国内メディアによると、これまで100万個以上が販売されたと小林製薬は説明している。

同社は紅麹を食品の成分として、世界中の食品・飲料メーカーに供給している。同社は先週、各社にリスクについて警告した。

(英語記事 Beni kōji: One dead and dozens sick after taking red yeast pill in Japan

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社