50歳で退職後、「年収150万円」のアルバイトを5年間続けました。「年金額」はいくらになりますか?

社会保険の加入条件

社会保険は、条件を満たしている方は必ず加入する制度です。

2024年10月には制度が改正され、社会保険が適用される範囲が拡大する予定です。勤め先の条件としては、101人以上の従業員数を有する事業所が対象でしたが、2024年からは、51人以上の従業員数を有する事業所も対象になります。

また、パートやアルバイトで働いている方が社会保険に加入するには、以下の条件を満たしている必要があります。

__・所定労働時間が1週間で20~30時間未満
・基本給と諸手当を合わせた所定内賃金が月額8万8000円以上
・雇用見込みが2ヶ月を超える
・学生以外(休学中や夜間学生を除く)__

条件を満たしていれば、加入義務が発生しますので、もし条件を満たしているにもかかわらず、雇い主が手続きをしてくれない場合は、専門家などへ相談しましょう。

健康保険法第208条によると、雇い主が社会保険の加入手続きをしなかった場合は、6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されるとしています。

年収150万円でアルバイトを5年続けると年金はいくら?

社会保険の対象になると、厚生年金保険にも加入して保険料を支払うことになるため、老後は老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金も受け取れます。老齢厚生年金の金額は、厚生年金保険の加入期間と、加入中の収入に応じて変動することが特徴です。

老齢厚生年金の受給額を求めるには、報酬比例部分を計算します。報酬比例部分は、平成15年4月1日以降に加入していた期間と、平成15年3月31日以前に加入していた期間とで求める式が異なり、それぞれは以下の通りです。

__・平成15年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×0\.007125×加入月数
・平成15年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×0.005481×加入月数__

平均標準報酬月額や平均標準報酬額は、給料を一定額ごとに区分した等級で表す標準報酬月額を使用します。年収が150万円の場合は、等級は6となり、標準報酬月額は12万6000円です。今回は賞与なしと考えるため、平均標準報酬額や平均報酬月額も12万6000円になります。

5年間のアルバイト期間がすべて平成15年4月以降だとすると、報酬比例部分は約4万1436円です。

150万円で5年働くと年金は4万1436円増える

社会保険には、条件を満たしていれば、必ず加入しなければなりません。もし雇い主が、社会保険の加入条件を満たしているにもかかわらず手続きをしてくれない場合は、違法とみなされるおそれもありますので、専門家に相談しましょう。

また、年収150万円でアルバイトとして5年働くと、老齢厚生年金の報酬比例部分は、4万1436円という結果になりました。

なお、実際に退職後にアルバイトをした場合は、最終的に受け取れる年金額は、退職する前に働いていたときの厚生年金の加入期間や収入でも異なるため、注意しましょう。

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
デジタル庁 e-Gov法令検索 健康保険法(大正十一年法律第七十号) 第十一章 罰則 第二百八条
日本年金機構
年金用語集 は行 報酬比例部分
令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社