UJPWは日本版NWAになれるのか? 発足記念5.6日本武道館大会に6団体が参加!新日本・棚橋社長「日本全国を元気にしていく」

新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDTプロレスリング、ガンバレ☆プロレス、大日本プロレス、ドラゴンゲート、スターダム、東京女子プロレスと、現時点では9団体が加盟を表明している日本プロレスリング連盟(UJPW)が、発足を記念して『ALL TOGETHER~日本プロレスリング連盟発足記念・能登半島復興支援チャリティ大会~』5.6東京・日本武道館大会を開催すると発表した。今大会には新日本、ノア、DDT、大日本、ドラゴンゲート、スターダムの6団体が参加。また第2弾として6.15札幌・北海道立総合体育センター北海きたえーる大会が行なわれることも決定した。

日本プロレス協会構想は、ジャイアント馬場の全日本、アントニオ猪木の新日本、そして国際プロレスと3団体の時代から設立が叫ばれていたが実現せず。2006年にはノアが中心となりグローバル・レスリング連盟が設立されたもののこちらも頓挫しており、その後も新日本、全日本、ノアを中心とした日本プロレス協会やコミッショナーの設立が検討されてきた。

それがコロナ禍が開けて元旦から能登半島地震に見舞われた今年になって、新日本の呼びかけに各団体が応じる形で、悲願の日本プロレスリング連盟UJPW発足が実現した。新日本、全日本、ノアは2011年に東日本大地震のチャリティ興行としてオールスター戦『ALL TOGETHER』を日本武道館と宮城・仙台サンプラザホールで開催しており、同大会は13年ぶりの開催となる。
新日本の菅林直樹会長は「昨年末に設立いたしましたプロレス業界団体 『日本プロレスリング連盟』は、さらなる社会的地位向上を目指し、現在、法人化に向け、調整を行なっております。こちらはまた改めて発表させていただきます。続きまして、5月6日に日本武道館において発足記念大会の開催が発表されておりましたが、 本大会は大会タイトルを『ALL TOGETHER~日本プロレスリング連盟発足記念・能登半島復興支援チャリティ大会~』とすることが正式に決定いたしました。主催は、ALL TOGETHER 実行委員会となり、令和6年1月1日の能登半島地震で被災された方へ、収益の一部を寄付させていただきます」とUJPWの法人化に向けた動きがあることを明らかにした上で、今大会の開催を発表するとともに、「第2弾では今回参加出来なかった団体にもお声かけさせていただく予定」だという。 新日本の棚橋弘至社長は「この日本プロレス界、有事が起きたときに力を合わせてやってきたことは『ALL TOGETHER』とかではあるんですけど、これから先、コロナ渦を経てプロレス界も新しいステージに入るという良いイメージを持って進んでいきたいなというのがあります。僕たちはプロレスという競技を通して、会場で楽しんでもらうのがもちろんなんですけど、“エネルギーを売る商売”でもあり、皆さんにプロレス会場からエネルギーを持って帰ってもらって、それを日常で使う。そして、それが結果的に日本全国を元気にしていくと。そんなイメージを描いています」と笑顔でコメントした。

ノアやDDTを運営しているサイバーファイトの高木三四郎社長は、「DDTとしては今回が初めての参加になるんですけども、日本プロレスリング連盟発足と、そして能登半島復興支援ということで、プロレスのチカラで皆さんを盛り上げて、そしてそれを楽しませていただきたい」と抱負を語った。

サイバーファイトの丸藤正道副社長は、「日本プロレスリング連盟の法人化を進めていくということで、それによってまた世間にプロレスというものが認知されていけば良いかなと思っております」と、UJPWの法人化に期待を寄せていた。3人は武道館大会で重役トリオを結成し、新日本の無法ユニットH.O.TのEVIL&成田蓮&高橋裕二郎と対戦する。
UJPWの法人化をめざすにあたり、期待したいのは加盟団体による統一王座の設立である。1980年代まで世界を席巻したNWAのような組織にすることができれば、アメリカのWWEやAEWと並ぶビッグビジネスに発展する可能性を秘めている。UJPWが認定したヘビー級、タッグ、6人タッグ、ジュニアヘビー級、女子などのタイトルを保持した選手は、防衛戦を行なうため、加盟団体を渡り歩くシステムにすれば、各団体のタイトルとの違いもでてくる。

もっと突っ込んで書くなら、各団体の既存のタイトルをローカルタイトルという位置づけにした上で、UJPWのタイトルを日本最高峰から世界最高峰に押し上げるような構想まで描いてもらいたい。加盟団体の最高峰タイトルを保持している選手がUJPW王座に挑戦していくというのが理想だろう。UJPWが加盟団体を調整できれば、同一地区でのビッグマッチのバッティングが避けられるなどメリットは大きいだけに、UJPWを打ち上げ花火で終わらせることなく、日本プロレスリング連盟の名に相応しい役割を期待したい。

文⚫︎どら増田

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