外貨を電子マネーなどに交換できる「魔法の端末」が登場! 地域別キャッシュレス決済の利用率ランキングも確認

「キャッシュレス決済の利用」が多い都道府県はどこ?

日本政府観光局の発表では、2024年1月の訪日外客数は268万8100人と推計。台湾・アメリカ・オーストラリアなど10市場で1月における過去最高記録を更新しました。

今年は3月末から4月にかけては日本で桜が見ごろを迎えることから、さらなる訪日外国人の増加が見込まれます。

海外への行き来のなかでストレスとなりうるのが「為替」。まとまった金額を交換するだけでなく、旅行最終日などに数枚のコインや中途半端な金額だけが余ってしまい困った経験がある人も少なくないはずです。

2024年3月4日、株式会社ポケットチェンジは外貨や日本円紙幣を日本の電子マネーやギフト券に交換できる「Pocket Change」端末を、新たに5カ所設置と発表しました。

そこで今回は、旅行好きからも注目されている「Pocket Change」の概要と、キャッシュレス決済の普及状況について紹介します。

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まるで魔法の端末!? 「Pocket Change」とは

「Pocke Change」とは、外貨や日本円紙幣を日本の電子マネーやギフト券に交換できる端末のこと。海外から訪れた旅行客はもちろん、海外旅行から帰国した日本人にも便利な存在といえるでしょう。

プレスリリースの配信に先立ち、株式会社ポケットチェンジは2024年2月末から端末の追加設置を実施していました。

2024年2月末から新たにPocket Changeを設置する場所はどこ?

「Pocket Change」は、東京都・大阪府・北海道・新潟県・長崎県など日本各地に設置されています。2024年2月末には、新たに5カ所設置されました。

ちなみに今回の設置場所の拡充では、東京都や大阪府などの大都市がターゲットになっているようです。

訪日外国人の旅行先として人気の場所も含まれ、需要の拡大が期待できますね。

Pocket Change対応している通貨と交換先を一挙紹介!

「Pocket Change」は、2024年3月時点では10種類の通貨に対応しています。主な交換先も合わせて、以下の表にまとめてみました。

魔法の端末「Pocket Change」の概要

日本を訪れる観光客が多い地域の通貨には、ほとんど対応していることが分かります。交換先も日本国内での移動や買い物に便利なものばかりなので、インバウンドだけでなくアウトバウンドにとっても使い勝手が良さそうです。

Pocket Changeの基本の使い方・メリット

「Pocket Change」は、個人情報の入力や会員登録せずに利用できます。音声案内のほか5カ国の言語にも対応し、初めて使う方や日本語に慣れていない方も利用しやすいのが魅力です。

基本の使い方は、3ステップで完結します。流れは下記の通りです。

  • 交換先を選択する
  • 通貨を投入する
  • 電子マネーに交換する

電子マネーへの交換は、リーダーに交通系ICカードやスマートフォンをかざしたり、機械から出されるレシートのようなものを受け取ったりすることで交換できます。

キャッシュレス決済の利用率が高い都道府県はどこ?ベスト10を紹介

現金を数えて取り出したり、小銭で重たい財布を持ち運んだりする手間を省けるのが魅力のキャッシュレス決済。

たとえば東京都や大阪府といった交通量の多い地域で普及していそうなイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。

今回は参考までに、NTTドコモが運営するモバイル社会研究所が2021年に発表した統計における「キャッシュレス決済の利用率トップ10」の都道府県を紹介します。

調査概要は以下の通りです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国15~79歳の男女
  • アンケート母数:6240件
  • 調査期間:2021年2月
  • 調査会社:モバイル社会研究所
  • リリース公開日:2021年7月14日
【都道府県別】キャッシュレス決済の利用率トップ10

沖縄県が48.6%、栃木県が44.8%、山形県が44.2%と主だった地域性は確認されず、スポット的に高い傾向が見られました。

調査結果からも、キャッシュレス決済を利用している人の割合は全国的にばらつきがあることが伺えます。

海外と比較すると、日本におけるキャッシュレス比率は大きいとは言えません。

しかし、増加率や意識調査の結果をみると利用傾向が高まっている様子が伺えます。

この点を踏まえて、経済産業省の統計データもあわせて確認していきましょう。

【要点】経済産業省「消費者実態調査」のキャッシュレス関連まとめ

経済産業省が行ったキャッシュレス実態調査について確認していきましょう。

そもそも、この調査が行われたのには、別調査で得られた「現状のキャッシュレス比率(32.5%)」の数値が、実態としてキャッシュレスが使われている肌感覚と必ずしも合致しないことが背景としてあります。

キャッシュレスの利用実態が網羅的にまとめられた調査、ポイントをおさえながらチェックしていきましょう。

キャッシュレス決済「浸透率」:「7~8割程度以上の利用」全体の54%

【性別・年代別】キャッシュレス決済利用者の割合

調査の結果、日常生活において「7~8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人が全体の54%でした。キャッシュレス決済が浸透していることがうかがえます。

お釣りなどでかさばる現金と違い、とにかく支払時や履歴確認時など「利便性」の高いキャッシュレス決済。スマホの高い普及率とも関連性がありそうです。

キャッシュレス決済と「支払い額」の関連性:1000円以下で使用割合が増加

また、その他の質問において、タッチ決済の利用に意欲的な人ほど「1000円以下」の決済で現金を使用する割合が低下していることがわかりました。

さらに別の質問を分析したところ、フルキャッシュレス層であっても74%は現金を持ち歩いていると判明しています。

ここから「現金がなくても生活できる」と感じている人は少数派であり、コンビニや駅などの少額・高頻度の買い物においてキャッシュレス決済が選択されているといえるでしょう。

旅行だけでなく、日常生活においてもメリットがあるキャッシュレス決済。リスクが比較的小さい少額のショッピングから慣らしていくのもよいかもしれませんね。

キャッシュレス決済を上手に利用しよう!

インバウンド消費の促進やスムーズな決済の実現など、キャッシュレス決済にはさまざまなメリットがあります。

ただし、キャッシュレス決済はとても便利な反面、不正利用のリスクや端末の故障により一時的に利用できなくなる可能性もあります。

念のため現金も少し財布に忍ばせておくなど対策したうえで、キャッシュレス決済を上手に活用してみてくださいね。

【参考資料】

  • 日本政府観光局「訪日外客数(2024 年 1 月推計値)」
  • モバイル社会研究所「感染症対策としての 「キャッシュレス決済の利用」約4割:シニア女性が多く利用・沖縄では半数が利用」
  • 経済産業省「消費者実態調査の分析結果 2023年3月」
  • pocket change「国と用途によって選べる多数の交換先」

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