大麻などの規制薬物を譲り受けた麻薬特例法違反などの罪に問われていた俳優・村杉蝉之介（せみのすけ）被告（58）に、福島地裁は27日、懲役10か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
麻薬特例法違反と薬機法違反の罪で判決を受けたのは、東京都の俳優・村杉蝉之介（本名・村杉友一）被告（58）です。
判決によりますと、村杉被告は2022年11月から23年1月ごろまでの間、4回にわたり、鹿児島県内からMDMAや大麻などの規制薬物を計18万1500円で購入し、自宅に送らせたほか、23年11月、自宅で大麻が含まれた液体を、大麻とは認識せずに所持するなどしました。
27日午後3時から福島地裁で開かれた判決公判で、福島地裁の三浦隆昭裁判長は、「決して少量とはいえない規制薬物を譲り受け、リラックスしたいなどの安易な理由から犯行に及んだ」と指摘しました。
一方、反省の態度を示し、心療内科医に通院して再犯防止に努めていること、所属事務所の社長も更生を見守る旨の上申書を提出していることなどを考慮したとして、懲役10か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。（求刑は懲役10か月）
村杉被告は、黒のスーツにグレーのネクタイをつけて出廷し、判決言い渡しの際は、裁判長を見つめ、聞いていました。
動機は「人と会うことがストレス」初公判の法廷で…
村杉被告は12日の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認め、薬物に手を染めた理由については「お酒が飲めず、人と会うことがストレスだった。薬物を使うと高揚感で、気持ちが楽になった」などと話していました。
村杉被告は、これまでに「池袋ウエストゲートパーク」や「あまちゃん」、「家政夫のミタゾノ」、大河ドラマ「どうする家康」などに出演しました。また、パンクコントバンド「グループ魂」では『バイト君』の名でリーダーを担当。2005年の紅白歌合戦に出場しました。
この事件をめぐっては、鹿児島県の密売人から薬物を購入した人物の中に福島県内の人物が含まれていたため、福島県警が鹿児島県警と共同捜査を行う中で、村杉被告の犯行が浮上しました。
