オープン来年3月に 配管入れ替えなどで遅れ 奥州・衣川 ITSUMU

来春オープンに向け改修工事が進められている「奥州・平泉温泉旅館ITSUMU」。地域住民に公開された客室

 奥州市衣川日向の旧国民宿舎サンホテル衣川荘改修工事を進めている同市衣川のリベラ・ホテルズ&リゾーツ(永森豊隆代表取締役)は、これまで2024年8月としていた改修後のオープン時期を25年3月にすると発表した。同社によると、資材高騰の影響や配管の入れ替えなど工事内容を見直し設計変更が必要になったという。同社は「当初の見通しより工事の遅れが生じた。来年のオープンに向け尽力していく」と説明している。

 同社が同市から無償譲渡を受けた旧衣川荘は、新名称「奥州・平泉温泉旅館ITSUMU(いつむ)」としてスタートを切る。「衣川地域で歴史や文化、人の思いを紡ぐ」との意味を込め、漢字では「衣紡」。旧施設の本館部分(6階建て、延べ床面積約6000平方メートル)を活用する。

 同社によると、改修工事中に当初想定していなかった設備の老朽箇所を複数確認。資材高騰の影響もあって工事内容の見直しに時間を要した。特に配管は施設全体の入れ替えが必要な状況で工期に大幅な遅れが生じた。現在、改修工事は外装すべてと内装の一部が完了。来年1月までをめどとして内装と外構の工事を行うという。

 衣川荘は旧衣川村が1971年に開設。同市は債務超過に陥った経営状況や老朽化などを理由に2020年9月末に営業を終了した。公募の結果、22年7月に永森商事(現リベラ・ホテルズ&リゾーツ)に無償譲渡した。

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