ウミガメ来る海岸をきれいに みなべで70人が清掃、イセエビ汁の振る舞いも・和歌山

海岸に打ち上がったごみを拾い集める参加者(和歌山県みなべ町東岩代で)

 和歌山県みなべ町のみなべ観光協会(岩本恵子会長)の呼びかけで、町内の団体会員や住民ら計約70人がこのほど、同町西岩代と東岩代の海岸で清掃活動をした。イセエビ汁の振る舞いもあり、地域の歴史や自然にも触れた。

 コロナ禍が収まり、歴史と自然が豊かなみなべ町にもっと多くの人に訪れてもらうため、町をきれいにしようと初めて企画した。観光協会やみなべ観光ガイドの会の会員、JR西日本の社員がスタッフとして加わり、ガールスカウトや母の木会、鹿島神社総代が団体で参加した。

 参加者はごみ袋と火ばさみを手に岩代王子付近と東岩代川までの海岸を歩き、打ち上がったごみを拾い集めた。ごみはペットボトルや発泡スチロール、プラスチック容器が多く、タイヤもあった。約1時間の活動で軽トラック2台分のごみが集まった。

 JR岩代駅前では、梅おにぎりとイセエビ汁の振る舞いがあった。岩代地域の活性化に取り組む「OJINS(おじんず)」(松川哲朗代表)の会員5人が用意し、参加者はおいしそうに食べていた。

 その後、観光ガイドの会の会員が岩代王子など歴史的な見どころについて、町教育委員会の職員が岩代海岸にも産卵にやって来るウミガメについて話した。

 参加したみなべ町山内の角田夏樹さん(37)は「海岸のごみ拾いはたまにやっているが、今日はいい機会だと思って家族で参加した。ウミガメの産卵地でもあり、きれいにしたいと思う。子どもにとって環境について考えるきっかけにもなる」と話していた。

 岩本会長は「OJINSの協力で梅だけでなく、みなべ町の海の幸であるイセエビを味わってもらうことができた。喜んでもらえ、よかった」と話した。ごみ拾いは今後も場所を変えてしたいという。

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