医師の集団辞職が続く韓国、心筋梗塞の90代女性が治療を拒否され死亡=ネット「医者が殺人犯に」

27日、韓国・ヘラルド経済は「釜山市内に住む90代の高齢女性が心筋梗塞により病院に搬送されたが、治療を拒否され死亡していたことが分かった」と伝えた。写真は高麗大学。

2024年3月27日、韓国・ヘラルド経済は「釜山市内に住む90代の高齢女性が心筋梗塞により病院に搬送されたが、治療を拒否され死亡していたことが分かった」と伝えた。

記事によると、今月6日、釜山市の指定公共病院で心筋梗塞と診断された90代女性が釜山市内の大学病院への転院を希望したが、病院側から「受け入れられない」との回答があった。その後女性は約10キロ離れた蔚山市内の病院に移送されたが、治療効果の高いゴールデンタイムを逃し死亡したという。

遺族らは、「医療界の集団行動」のために女性が死亡したと主張している。遺族は「(蔚山市の病院に)来るのが遅すぎると言われた。釜山で治療を受けられていたら助かる可能性は十分にあった。1分1秒を争う状況なのに、50分以上もかかった」と怒りをあらわにしている。

遺族らは、大学病院の救命救急室が正常に稼働していないことが原因だとして保健福祉部に被害を報告したが、1週間後に「医療ストライキの影響もあるとみられるが、違法事項ではないためどうすることもできない」との回答があったという。

当該病院には当時心臓の専門医が待機していたが、医療環境の問題で患者を受け入れられなかったという。

韓国医療界は25日、政府の大学医学部の定員拡大政策(現在の3058人から2000人増やす)に反発して医学部教授らが一斉に辞表を提出した。ソウル大学や高麗大学、蔚山大学など40の大学の医学部のほとんどの教授が辞表を提出、または辞職を決意した状況だという。先月に全国の研修医の8割以上が一斉に辞職したことに続き、医学部教授らも集団行動に乗り出したことで、医療「空白」事態長期化への懸念が高まっているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「医者が殺人犯になりつつある」「治療を拒否した大学病院の担当医を処罰するべき」「人の命を救うはずの医者が、お金に目がくらみ人を死なせている」「こんな国で治療を受けたくない。お金を貯めて海外に移民する」「辞表を出した医師の免許を剥奪し、外国人医師を迎え入れよう」「医者が殺したようなものだ。2000人増員できなければ、受け入れ可能な救命救急室を探してさまよっている間に死ぬことが日常になってしまう」「今回医学部増員が実現しなければ、この国は今後も医者に振り回され続けることになる。政府はストライキに負けず、計画通りに進めてほしい」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/堂本)

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