建物の設計・施工・デザインを手掛ける「スタプランニング」（那覇市、赤嶺剛社長）。社員の8割が女性、女性が活躍できる「えるぼし」企業三つ星認定の同社も、かつては長時間労働が当たり前だった。
改革のきっかけの一つが、赤嶺サオリ専務自身の出産、子育てだ。このままでは仕事が続けられないと感じた赤嶺専務は、社員の子どもも含めてサポートする他の県内企業の経営をヒントに、自分も社員も共に働ける環境を目指しあえる子育て中の女性を採用した。営業開発部の上地良美さん（42）は、16年前に2歳と3カ月の子を抱えて入社。保育園の迎えに配慮した勤務時間帯、小学生で放課後の居場所の問題が出たときも、会社で宿題させながら過ごせる態勢に助けられた。「会社の行事も家族ぐるみ。一緒に子育てしている感じ」（上地さん）。さらに、女性が働きやすい職場づくりは、離職防止や業務効率の向上という経営上の成果にもつながった。
同社では各社員が20年後までの人生計画を作成し毎年見直す。上地さんはその機会を得て「人生観が変わった」と話す。建設業簿記など資格も取得しつつ、子育てが落ち着いた入社9年目にパートから社員にステップアップした。赤嶺専務は「子育てしながら働くことで女性のキャリアを伸ばし自信をつけさせ、自己実現させたい」と語る。「生き方は自分で変えられる。女性を含めた大人が輝くことで、子どもたちに憧れと夢をつなぎたい」
