兵庫県幹部が知事を中傷する文書を配布 知事「うそ八百」と解任、退職認めず 報道機関や県警が入手

異例の人事異動について定例会見で説明する斎藤元彦知事=兵庫県庁

 兵庫県の斎藤元彦知事と県幹部を誹謗中傷する文書を流布したとして、県は27日、西播磨県民局長(60)を同日付で解任したと発表した。県民局長は今月31日付で退職予定だったが、退職を認めず、今後降格させた上で懲戒処分を検討する。

 斎藤知事の定例会見での説明によると、県民局長は職務中に職場のパソコンを使用し、知事や県幹部を中傷する文書を作成。県民局長自身も作成を認めたという。文書は複数の報道機関や県議、県警などに送付されており、斎藤知事は警察に被害届などを提出する考えも明かした。

 県は、県民局長を27日付で総務部付に異動させ、4月1日以降は役職定年で班長級に降格。勤務を継続させる。また、この文書流布に携わった可能性があるとして、自己都合で退職予定だった女性幹部職員(55)の退職も認めなかった。

 西播磨県民局長の後任には、危機管理部次長(58)を充てた。

 異例の人事について斎藤知事は「文書には事実無根の内容が多々含まれ、看過できない。業務時間中にうそ八百を流す行為は絶対に許されず、組織を立て直す意味でも綱紀粛正が必要だと判断した」としている。(前川茂之)

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