陸上自衛隊出雲駐屯地に新部隊 戦闘力強化 災害対応など地域防衛にも期待

出雲市にある陸上自衛隊の駐屯地にこのほど、新たな部隊が発足しました。北朝鮮のミサイル発射が相次ぎ、中国が軍事的圧力を強める中、従来の偵察能力に加え、新たに戦闘車両を配備し、戦闘力を強化した部隊です。

陸上自衛隊出雲駐屯地の第13偵察隊と岡山県の第13戦車中隊を統合して、新たに発足したのが、第13偵察戦闘大隊です。

発足式に当たる編成完結式では、中国地方の5県を管轄する第13旅団の德永勝彦旅団長から、宗像秀樹大隊長に大隊旗が託されました。

第13旅団・德永勝彦旅団長「従来の偵察能力に加え、16式機動戦闘車配備部隊として打撃力を併せ持った部隊としての速やかな戦力化を図ってもらいたい。」

偵察戦闘大隊は、国の中期防衛力整備計画により、部隊の効率化と合理化を図る目的で、全国各地で、順次設立されています。

陸上自衛隊が、戦車を北海道と九州に集中させる中、主要な装備は、新鋭の16式機動戦闘車。

一見、戦車のような外観ですが、ゴムタイヤで走るため、道路上なら最高時速100キロで移動でき、鳥取県の航空自衛隊美保基地配備のC‐2輸送機での輸送も可能と、一部の機動力は戦車を上回ります。

情報共有システムも強化されていて、さらに105ミリ砲や重機関銃など、戦車に準ずる武装も備えています。

第13偵察戦闘大隊・宗像秀樹大隊長「人員もかなり増えたというところで。地域防災等への貢献もさることながらですね、より地域に根差した部隊を目指して頑張って行きたいと。」

この偵察戦闘大隊の発足で、部隊はこれまでの倍以上の300人規模となり、戦闘力と情報収集などの偵察機能ともに、災害時の対応をはじめとした地域防衛力も強化できるとしています。

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