<PTA改革>会長「こうしませんか?」→ 保護者の参加率が上がった『画期的な取り組み』とは?

PTA活動は面倒で大変! というイメージはありませんか? 筆者も役員をやっていたときは、古いしきたりにびっくりしたり、保護者によって活動への意識が全然違ったりで困ったこともありました。しかし、先生や保護者とのつながりや学校で子どもの様子を間近に見られたりと良い面もたくさんありました。今回は筆者が、小学校でPTA役員をしていたときに体験したエピソードをご紹介します。

突然『教員はPTA活動に参加しない』と宣言される

コロナ禍だったころ、年度末のPTA総会で規約改正案が出されました。

私が役員をしていた学校では、PTA規約が変わることは滅多にありません。

なので保護者は「え? 何か大変なことになるの?」と気にしていました。

学校から配られた改正案には『全員強制参加を任意参加とする』『PTAから校長・教頭・教員を外す』という文章が新しく加えられていました。

教員の働き方改革の中、規約改正は避けられない

資料を読んですぐに、これは学校側からの『PTA活動に教職員は一切かかわりません!』という強い意志を感じました。

もちろん、学校から突然こんな改正案が出されたことで、保護者からは心配の声がたくさん上がりました。

PTA主催の夏祭りやバザーなどは、保護者だけでは回らず、先生たちのお手伝いがあってこそ成り立っていました。

なので急に『PTA活動に教職員はかかわりません!』と突きつけられると、今後の不安が出てくるのは当たり前です。

しかし、教員の働き方改革が進むなか、先生たちがPTAから距離を置くのは避けられませんでした。

PTA未加入の家庭が増える→子どもの間で『格差』が問題に!

規約の改正後、PTAに入らない家庭が一気に増えました。

保護者は、会費を払う必要もなく役員も避けられ快適だったかもしれません。

しかし、子どもの間では溝ができていました。

夏祭りやバザーに参加できず、卒業記念品を受け取れない子が出てきたのです。

すると子どもの間でも「PTAに入っていない子=会費が払えない=貧乏」というイメージが生まれ、イジメの原因にも……。

ボランティア制度にしたことで解決

この問題を重くみた会長が、ある年から「会費をなくして、全ての活動をボランティア制度にする」と決断。

すると保護者の参加率が上がり、結果的に以前より活動に協力してくれる家庭が増えました。

私自身、強制参加のときは『やらされている感』が強くて嫌でしたが、ボランティア制になったあとは『やりたいから活動する』という意識が生まれました。

もちろん、やる気がある人だけが集まるので会議も運営もスムーズ!

保護者同士も仲良くなるし! 今まで以上にPTA活動が楽しくなりましたよ。
PTA活動はただでさえ格差が生まれやすい問題です。やりたい人ができることを無理せずやる、というのが1番いいのかもしれませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:広田あや子

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