【連載コラム】第57回:2024年シーズンの順位予想 今世紀初のワールドシリーズ連覇に期待

写真:今季の「世界一」の称号は誰の手に? ©Getty Images

MLBの2024年レギュラーシーズンはドジャース対パドレスのソウルシリーズですでに開幕していますが、日本時間3月29日には全30球団が一斉にアメリカ本土での開幕を迎えます。開幕ロースター入りする予定の日本人選手は、ドジャースの大谷翔平と山本由伸、パドレスのダルビッシュ有と松井裕樹、カブスの鈴木誠也と今永昇太、レッドソックスの吉田正尚、ブルージェイズの菊池雄星、タイガースの前田健太の合計9人。ソウルシリーズで自身4度目の開幕投手を務めたダルビッシュはアメリカ本土の開幕戦でも先発のマウンドに立ちます。

さて、3週間にわたってMVP、サイ・ヤング賞、新人王の行方を展望してきましたが、開幕直前の今回は順位予想をしてみようと思います。毎年全然当たらないので、あまり当てにはしないでください(笑)。

まずはア・リーグ。東地区はレッドソックス以外の4チームに優勝のチャンスがあり、今季も激戦になりそうですが、先発陣がある程度計算でき、主砲ブラディミール・ゲレーロJr.らの復調で得点力アップも期待できるブルージェイズが1位と予想。昨季リーグ1位の101勝を挙げたオリオールズ、同2位の99勝を挙げたレイズが2位と3位で続き、ゲリット・コールが故障で出遅れるなど先発陣が未知数のヤンキースは今季も4位、戦力的に劣るレッドソックスは3年連続の最下位でしょうか。

中地区もホワイトソックス以外の4チームに上位進出の可能性がありそうですが、地力に勝るツインズの2連覇を予想。投手陣が大崩れしないガーディアンズが2位、大躍進の可能性もあるタイガースとロイヤルズが3位と4位で続き、昨年8月末に就任したクリス・ゲッツGMのもとでチーム再建を進めるホワイトソックスはほぼ間違いなく最下位だと思います。

西地区はプロスペクトが枯渇しているにもかかわらず、不思議と毎年のように新戦力が台頭してくるアストロズが今季も結局優勝すると予想。地区4連覇、直近8年間で7度目の地区優勝ということになります。2位は強力投手陣のマリナーズ、3位は強力打線のレンジャーズ。「3強・1弱・1最弱」の構図は今季も変わらず、エンゼルスは4位、アスレチックスが最下位でしょう。

続いてナ・リーグ。東地区はフィリーズが打倒・ブレーブスを目指しますが、昨季メジャー1位の104勝を挙げたブレーブスが地区7連覇を成し遂げると予想。フィリーズが2位に入り、3位以下はメッツ、マーリンズ、ナショナルズの順でしょうか。昨季は接戦に驚異的な強さを見せ、ワイルドカードを手にしたマーリンズですが、先発陣に故障者が続出している今季は苦しいと思います。

中地区は突出したチームがなく、全5チームに優勝のチャンスがある最激戦区。昨季、投手陣が崩壊してまさかの最下位に沈んだカージナルスが意地を見せ、V字回復で優勝すると予想します。2位以下の予想も難しいですが、比較的戦力が充実しているカブスが2位、昨季の地区王者ブリュワーズが3位、パイレーツは若手が来季につながる活躍を見せて4位、レッズは期待された若手がことごとく期待を裏切って最下位と予想しておきます。

西地区は順当にドジャースが優勝すると予想します。ただし、ダイヤモンドバックスも的確な補強で戦力アップに成功しており、独走にはならない可能性もありそうです。というわけで、ダイヤモンドバックスが2位。ブレイク・スネルらを補強したジャイアンツが3位、ディラン・シースらを補強したパドレスが4位で続き、「蚊帳の外」状態のロッキーズはほぼ間違いなく最下位でしょう。

ポストシーズン進出チームは、ア・リーグがブルージェイズ、ツインズ、アストロズ、マリナーズ、レンジャーズ、オリオールズ。ナ・リーグはブレーブス、カージナルス、ドジャース、フィリーズ、ダイヤモンドバックス、カブス。今世紀初のワールドシリーズ連覇を観たいという個人的な願望も込めて、レンジャーズ対フィリーズのワールドシリーズでレンジャーズが勝利すると予想します。夏以降はマックス・シャーザーやジェイコブ・デグロムがローテーションに加わる見込みなので、豪華先発陣と強力打線でポストシーズンを勝ち抜いていくという展開は十分に有り得るはず。答え合わせはシーズン終了後ということで。

文=MLB.jp 編集長 村田洋輔

© 株式会社SPOTV JAPAN