【ベトナム】貸出残高、3月中旬時点で前年末比減[金融]

ベトナムの商業銀行による3月18日時点の貸出残高は、2023年末から0.3%減少した。政府は景気回復に向けて融資拡大を目指しているが、今年に入ってマイナス成長が続いている。ベトナム・インベストメント・レビュー(VIR)が26日伝えた。

国営大手ベトナム投資開発銀行(BIDV)では11日時点の貸出残高が189億5,000万米ドル(約2兆8,735億円)となり、前年末比で約1%減少した。民間大手ティンブオン銀行(VPバンク)では、4万社超の法人顧客の与信上限計96億7,000万米ドルに対し、現在の貸出残高は24億2,000万米ドルにとどまっている。

融資が伸びない要因として、貸付先となる企業に十分な製造計画や望ましい市場がないことや、担保制度が柔軟性を欠くこと、赤字企業への融資に規制当局の保証がないことが挙がっている。

主要な借り手である不動産業界でも返済能力の弱さが続く見通しで、融資が伸びていない。ベトナム・インベスターズ・サービス信用格付けエージェンシー(VISレーティング)によると、同業界では23年、借り入れの増加が利益の伸びを上回り、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)有利子負債倍率が前年の7倍から8.7倍に上昇した。

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