米ディズニー、フロリダ州と和解 特区監督巡る訴訟で

[27日 ロイター] - 米ウォルト・ディズニーは27日、米南部フロリダ州のテーマパーク「ディズニーワールド」のための特別区に対する監督権限を巡る訴訟で、デサンティス州知事が任命した特別区監督委員会と和解に達したと発表した。

ディズニーは、性的少数者に関する教育を制限する州の措置を批判したことをきっかけに、2022年以来デサンティス氏と対立してきた。

ディズニーワールドなどテーマパーク開発を監督する委員会は昨年、ディズニーに有利な過去の「裏取引」を無効にするために州裁判所に同社を提訴。デサンティス氏は昨年、知事が監督委員を任命できるようにした。

和解により旧監督委が承認した土地使用計画が無効との現委員会の判断をディズニー側が受け入れ、20年に決定したテーマパークや商業地区の開発計画を今後の青写真とすることになった。ディズニーは公的記録へのアクセスを求める訴訟を取り下げることにも合意した。

ディズニーワールドのジェフ・バーレ社長は、和解により「特別区の新指導部との建設的関与に新章が開かれた」と述べた。

ディズニーは言論の自由を巡る見解の表明に対して、州が同社の事業に不当介入したとして連邦地裁にも訴訟を提起。地裁が1月に訴えを退けたのに対し同社は控訴しているが、今回、テーマパーク地区の開発で話し合いを進める間は控訴手続きを停止することでも合意した。

フロリダ州選出の下院議員だったデービッド・ジョリー氏は和解について「双方が対立を乗り越えて、ディズニーと州当局間の従来の強い関係を復活しようとしている表れだ」と指摘。

デサンティス氏が大統領選から撤退したため、同氏側は法廷闘争を続ける意欲を失ったようだとも述べた。

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