肌ケアに男性需要 金沢エムザ、コーナー開設 香林坊大和、客数2~3倍に

新設の男性向けコスメコーナーで品定めする来店客=金沢市の金沢エムザ

  ●マスクなし、リモート会議

 石川、富山両県の百貨店で、男性客による肌ケア商品の需要が高まっている。自身の顔が映るリモート会議の増加やマスクなし生活となったことを機に、身だしなみとして、肌荒れを気にするビジネスマンが増えているという。金沢市の金沢エムザは27日、1階化粧品売り場に男性向けコーナーを開設し、需要を取り込む。同市の香林坊大和では男性も使える商品をアピールし、客数が2~3倍に増したブランドもある。

 「コロナ明けでマスクを外して自分の肌が気になり始めた。人の印象は清潔感が大事で、これからもケア商品を使っていきたい」。金沢エムザで開設されたばかりの男性向けコスメコーナーを訪れた会社員男性(48)がこう話し、化粧水や乳液などを品定めした。

 金沢エムザでは化粧品売り場を訪れる男性客がコロナ前の1.5倍に増えている。各ブランドでは女性が男性に勧める夫婦やカップル、男性1人で来店するケースもある。男性客は20~50代が多いという。

 この需要の高まりを受け、北陸初登場の「ラボシリーズ」と「リオネル」、「シセイドウメン」の3店を1区画に集めた男性向けコーナーを新設し、計8ブランド約300以上の商品を取りそろえた。

 エムザはコーナー新設で若い男性や家族連れの来店増を目指す。担当者は「どんな商品を使ったらいいか分からない人も気軽に専門の販売員に相談して使ってみてほしい」と話した。

  ●男女兼用アピール

 香林坊大和では、男女とも使える化粧水などの商品をアピールしているブランドが多い。近年は男性のアスリートや俳優らを広告塔に起用するブランドもあり、同店内では男性客数が直近1年間で2~3倍に増えたブランドもある。

 コスメブランド「RMK」では、かんきつ系のさっぱりした香りの化粧水などが男性に人気だ。大和の担当者は「週末には若い男性グループが各ブランドを巡っている様子も見られる」と話した。

 富山市の富山大和でも男性用化粧品を求める客が増えている。1階化粧品売り場の店舗では化粧水や洗顔料、保湿液などが人気で、美容液や日焼け止め、眉毛を整えるアイブロウなど男性用商品を充実させている。幅広い年代が店に訪れ、席に座って試供品を使う男性客が見られる。

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