●優秀選手に秋田、大浦、橋本
能登半島地震の影響で氷見市から福島県に会場を移した第19回春の全国中学生ハンドボール選手権(富山新聞社後援)は最終日の27日、福島市の県営あづま総合体育館で準決勝と決勝が行われ、富山代表の氷見西條男子が決勝で東久留米西(東京)を26―24で下し、9年ぶり2度目の優勝を飾った。東日本大震災を経験した福島が手を差し伸べて実現した大会で氷見と福島の絆が深まった。
県勢の優勝は、第16回大会(2021年)の男子・氷見北部以来3度目となる。6年連続12度目の出場となる氷見西條は準決勝で、けやき台(茨城)を22―15で下し、最終決戦の舞台に進んだ。
決勝の相手は6年連続13回目の出場となる強豪。西條は前半開始から5連続失点したが、エース大浦智也(2年)が7メートルスローを決めて初得点すると、落ち着きを取り戻した。中盤に5連続得点して同点に追いつき、その後は一進一退の展開が続いた。
後半も両者の意地がぶつかり、我慢比べとなった。激しく点を取り合う中、終盤に左ウイングの橋本朱(しゅ)右(う)(同)が次々と得点を決め、2点差を守り切った。
今大会は「スポーツの力を 北陸の力に」をスローガンに掲げた。大嶋賢監督は「選手たちは本当によく頑張った。地元に明るいニュースを届けられてよかった」とたたえた。
女子は東久留米西が優勝した。男女各7人の優秀選手には氷見西條の男子から秋田大翔(同)、大浦、橋本が選ばれた。
閉会式では日本ハンドボール協会の藤本元常務理事、福島県ハンドボール協会の遠藤均会長らが入賞チームに賞状などを手渡した。遠藤会長は「来年の20回大会が復興のシンボルとなるよう一日も早い氷見の復興を願う」と述べた。
新田八朗知事は、全国春の中学生ハンドボール選手権で氷見西條の男子が優勝したとの連絡があったとし「ともに喜びたいと思います」と述べた。
林正之氷見市長は「復興に向けて頑張っている市民に大きな元気と勇気を与えてくれた。大トリの試合で氷見のチームが優勝を飾ったのはまさにドラマだ」とたたえた。
▽準決勝
氷見西條 22 10―7 15 けやき台
12―8
▽決勝
氷見西條 26 13―13 24 東久留米西
13―11