沖縄最高峰の芸術展で新人賞に輝いた油絵「奇宅ラッシュな怪速メトロ」とは? 非日常の世界を描いた高2「絵を描くとポジティブになれる」【沖展2024】

[沖展 2024 75th OKITEN EXHIBITION]

 沖縄県浦添市のANAアリーナ浦添で開かれている第75回沖展の絵画部門で、e-no新人賞に輝いたのは星槎国際高等学校2年の城間キノネさん(16)=豊見城市=だ。城間さんの父で、琉球ゴールデンキングスのキャラクターも制作したアーティストの英樹さんも「沖縄最高峰の賞で入賞できたことは自分のことのようにうれしい。熱心に描き続けてきた娘を誇りに思う」と祝福する。(社会部・垣花きらら)

 デザインの仕事をしている父の影響もあり、絵を描くことは幼い頃から好きだった。城間さんは「絵を描いているとポジティブな気持ちになれる。自分の気持ちをコントロールしてくれるもので、人生になくてはならないもの」と話す。

 今回初出品した作品は、一番得意なスタイルの油絵だ。モチーフは好きなカエルや妖怪。カエルが人間に化けて人間界から妖怪の世界へ電車で向かう様子を描いた。「妖怪の世界など非日常を体験したいが、現実的には難しい。絵の中で表現することで想像を膨らませた」と語る。

 タイトルは「奇宅ラッシュな怪速メトロ」。怪奇な世界観がより伝わるように作品名もこだわった。

 城間さんの作品の特徴は、自身が絵の中に登場すること。今後制作していく作品にも自身を潜り込ませ、シリーズ化していく予定だという。

 城間さんは「まさか新人賞を取れるなんて思わなかった。日本だけにとどまらず、海外でも通用するようなアーティストになりたい」と意欲を見せた。

絵画「奇宅ラッシュな怪速メトロ」
「世界で通用するアーティストになりたい」と語る城間キノネさん=23日、浦添市・ANAアリーナ浦添

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