心臓移植の12歳女児「2人分、懸命に生きたい」 春から中学生、地元川崎で経過報告 救う会は解散へ

心臓移植手術を受け、経過を報告する好乃さん(右から2番目)=川崎市役所

 重い心臓病を患い、心臓の移植手術を行った五十嵐好乃(この)さん(12)=川崎市幸区=と家族が27日、川崎市役所で会見を行い、近況を報告した。経過は良好といい、今月小学校を卒業、来月からは中学校に進学する。好乃さんは心臓を提供してくれたドナーを「胸の中の友達」と呼び、「2人分、一生懸命に生きていきたい」と決意を込めた。

 好乃さんは2021年に心臓の働きが低下する進行性難病「拡張型心筋症」と診断され、両親は米国での移植手術を決断。急激な円安もあり費用は5億円を超える見込みとなり、両親は、知人らで結成した「このちゃんを救う会」と協力して募金活動に取り組んだ。

 昨年3月に目標の5億円は集まったものの、好乃さんが体調を崩し、渡米の準備を中断。好乃さんは大阪の病院へ転院し、渡米に向け再調整していたところ、日本国内でドナーが見つかり、移植手術を行った。

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