東上野四丁目A-1地区再開発(東京都台東区)/準備組合設立、30年代半ば完成へ

東京都台東区のJR上野駅前で26日、「東上野四丁目A-1地区再開発準備組合」が設立された。台東区役所の南側に位置し、警視庁上野警察署などを含む約1ヘクタールの区域を再開発する。事業協力者として東京メトロと大林組が参画。2030年代半ばの完成を目指し、今後具体的な計画策定に着手する。上野警察署は単独で敷地外への移転を計画しており移転は30年ころの見通し。このため再開発の工事が本格化するのは同年以降になると見られる。
組合と東京メトロ、大林組の3者が27日、連名で発表した。計画地は東上野4の一部。JR上野駅の東側で、昭和通りと浅草通りが交わる上野駅交差点に面した角地に位置する。
再開発では区が定める上位計画に沿うよう、浅草方面への玄関口にふさわしいにぎわい・交流拠点の整備を目指す。敷地を共同化して土地を高度利用するとともに、広場などの公共空間も充実させる。
区が20年に定めた「上野地区まちづくりビジョン」は上野エリアを、文化・芸術の発信拠点に位置付けた。文化施設が集中する上野公園と連携。シナジー(相乗効果)を最大限発揮できるような市街地整備に取り組む。19年策定の「東上野四・五丁目地区地区計画」もある。公共施設の再編や大規模敷地の機能更新に合わせ、段階的に街づくりを推進していくと定めている。
区域内にある上野警察署(東上野4の2の4)は、台東区役所を挟んで北側にある旧下谷小学校敷地の一部(敷地面積約2450平方メートル)に移る。S一部RC造地下2階地上9階建て延べ1万4700平方メートルの規模の新庁舎を建てる。現在は基本設計を山下設計に任せている段階で、11月に完了予定。実施設計を経て26年12月~30年2月を建設工事に充てる。

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