建設コンサル17社24年春の採用計画、8社が採用数増加/本社調査

日刊建設工業新聞社が主要建設コンサルタント17社を対象に実施した人材採用アンケートによると、2024年4月の新卒(大学・大学院卒、高卒・高専卒などを含む総数)採用予定数は920人と、前年実績よりも64人増加する見通しだ。採用目標人数(16社が回答)に対する充足率は93・8%だった。優秀な人材の獲得に向けて各社とも多様な採用手法を導入するが、学生とのコミュニケーション不足や採用活動期間の長期化などが課題となっている。
調査は1~2月に実施した。採用数が最も多いのは建設技術研究所の112人。回答した16社のうち、8社が採用数を増加する方針。46人増と新卒採用数を大幅に伸ばしたパシフィックコンサルタンツは「グループの成長に向けて新卒採用で一定数の人材を確保する」として採用拡大を目指す。
技術系社員の総数(847人)に占める女性の比率は26・8%と前年と同様に3割弱で推移する。回答した14社のうち7社が女性社員を増やす意向だ。技術系社員の女性比率が最も高かったのは日本工営の38・1%だった。
25年4月の新卒採用数は、採用目標を回答した16社の比較で前年を64~69人上回る合計1045~1050人を計画する。
23年度の中途採用の合計は74人増の614人を見込む。回答した15社のうち12社が増加の意向で、新卒以上に採用を強化する。中途採用では「当社にはない知識や経験」(長大)、「前職で培った専門知識や人脈」(大日本ダイヤコンサルタント)といった即戦力としての能力を期待するが、「中途採用は新卒採用よりも難しい」と採用に苦慮する声も聞かれた。
優秀な人材の獲得に向けて、各社が採用手法を工夫する。コロナ禍に定着したオンライン面接は多くの企業で導入。エイト日本技術開発はインドの大学に在籍する学生を対象に新卒採用活動を展開する。自社を退職した元社員を再雇用する「アルムナイ採用」は八千代エンジニヤリング、オオバなどで導入している。
一方で「オンライン面接は学生とじかにコミュニケーションが取れず、熱意や志望度を感じにくい」「新卒の採用活動が早期化し、活動期間が長期化している」など、課題を指摘する声も寄せられた。

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