立山黒部の登山客に入山協力金、富山県など26年度導入 24年8月上旬から実証実験

 環境省や富山県などは2026年度から、立山黒部エリアで登山客から任意で募る入山協力金の制度を導入する。27日に富山市内で開かれた「北アルプス富山県側登山道等維持連絡協議会」の設立総会で同省が説明した。今年8月上旬に実証実験を始め、老朽化した登山道の補修や山岳環境の維持に役立てる。

 実証実験では槍穂高連峰などの北アルプス南部(長野県)で活用されている制度「北アルプストレイルプログラム」を導入する。約3カ月間実施し、立山室堂山荘や太郎平小屋など5カ所の山小屋に募金箱を設置する。協力金は1口500円から。オンラインでのクレジットカード決済や銀行振り込みも受け付ける。25年度は通年で実証実験を行う。

 27日の設立総会は県防災危機管理センターであり、同省や県内の自治体の担当者、山小屋経営者ら約30人が出席した。人手が不足する登山道整備の人材育成に力を入れることや、入山協力金の導入に向けて情報発信をしていくことなど新年度の事業を決めた。

 協議会長に同省中部山岳国立公園管理事務所の野川裕史所長が就き、「利用者に参加してもらいながら、登山道を長く使っていきたい」とあいさつした。

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